揺れる頭の現在思うこと

6時に寝たのに、10時前に起きる。
しかし、頭が揺れていた。
仕事に行けるかどうか、ギリギリの状態だったが、スケジュールでは休みにしておいたので、今日は休むことにした。

夕方、銀行へ。
今回の公演の精算など。
諸経費を引いて、赤字にならなかったのは嬉しい。
過去2回のマグ不足は、どちらも若干赤字気味だった。

「二葉」でつけ麺食べる。

夜、少しずつ部屋の片付け。
稽古に明け暮れていると、余計な雑念が心に入ってくることはないが、終わると、ぽっかりとあいたすき間に、色々な想いが入ってくる。

毎度のことだけど、反省点のなかった公演はない。
今回も同様。
あれもこれも、色々各方面に迷惑をかけたり、
「なんで、あれをやらなかったんだ?」
と言われることがあったり。

旗揚げの時から変わらない。

ただ、そういう風に、意見を言ってくれる人が消えたことはないのは、ありがたいことなんだろう。
(あいつには、何を言っても、聞いてくれないからな)
と思われるよりは、数段マシだ。

今回は、チラシを作らなかった。
仮チラシを作る予定はあり、そのために色々作業もしたのだが、実作業時間がリミットを超えてしまい、これ以上やっていたら芝居作りそのものに影響があるとわかった時点で断念した。

「簡単なもんでいいんですよ」

と打ち上げの時に言われたのだが、その簡単なものを作ることができなかった。
そのあたり、まだまだ、人間関係や仕事の分担、出来ることと出来ないこと、課題が多い。

マグも長く続けているが、PCやウェブ関係に強い人が周りにいないというのは、心細いものだ。
マグのサイトも、最初はhtmlの手打ちで作り、そのうちDreamweaverを使ったりしたけれども、2006年から基本的なレイアウトは変わっていない。
配色に関しては、もっと長いこと変わっていない。
そろそろ変わってもいいかなと思うが、このままの色でいこうかなと思っている。

制作については、2008年の『1:1』からは、すべて自分が請け負っている。
出来ない部分は外注。
無茶な話だが、例えばチケットの手配や、パンフのテンプレート、アンケートのテンプレート、その他色々の資産を、別の人に引き継ぐのは至難の業だ。

幸いなことにと言っていいのかどうかわからないが、自分がOffice関連のソフトをよく使うために、そのあたりの作業をするのに手間をかけずに済んでいるということはある。

「人に仕事を与えられない? 信じていない?」

という問いかけをもらった。
たぶん、仕事を与えるという段になると、いわゆるいつもの仕事、食べるための仕事としてやっている「業務」と同じ思考法になってしまうのだろう。
(Excelわかるかな?)
(ワードのレイアウト崩れに対処できるかな?)
(Accessのラベル印刷できるかな?)
みたいな。

ただ、自分が制作関連の実務をやる前から、そういう仕事は制作に委託される形で自分がやっていた。
だから、それほど仕事が増えたわけではないのだ。

少しずつ、マグのメンバーを増やして、少しずつ、仕事を共有して、少しずつ、マグが一種の生命体のように動くようになっていけばと思う。
表現したいという思いを宿命的に抱いている人々の集まる、コミュニティのような場所に。

次のマグ公演は来年2月だ。
シアター風姿花伝。
演目は『暮れなずめ街』
再演だが、そのままではなく、第3回公演『俺のつむじ風』と融合させて書き直そうと思っている。
『断末魔の轟木氏』を、今回のマグ不足で『走馬燈』に書き直した手法を、うまく生かせればいいなと思っている。

「劇団員」という言葉についても、色々考える。
現在、芹川と知恵ちゃんがそうだ。
今回のマグ不足で、二人が経験した濃さとその影響は、もう少し後になってからでないと、本人達にもわからないんじゃないかと思う。
いつものマグ公演以上のことをやってもらったし、何よりも俺を加えて3人の「息」の基本が、今回の公演で作れたと思う。
あとは、次回以降、基本からどういう風にずらしていくか。
または、基本に忠実に作っていくかの問題だろう。

自分がほめられるより、二人がほめられた方が嬉しいのは、かっこつけるわけではなく、本当に自然にわき上がってくる感情だ。
特に知恵ちゃんは、過去4回に出たマグ公演を全部足したよりも、今回の方が多くの役柄を演じたと思う。
個人として、きついだろうなあという気持ちがあるのに、演出もしくは主宰としては、やってもらえずにはいられないという分裂がある。
個人の自分と、主宰の自分は、やっぱり別人格なんだろう。

個人の自分は、今年の初めから延々と思い悩んできた。
思い悩んだ末に、様々な決断をしたり、取り乱したりした。
公演が終わって、心にぽっかり穴が空いた今、そこに入ってくる想いの色々は、決してネガティブなものばかりではない。
ポジティブなものもあるし、未来に目を向けたものもある。
個人的なものもあるし、主宰としてのものもある。
本当に色々なものがある。

とにかく、素直に、丁寧に、誠意をもって、尊敬できるところを相手から見つけようとする態度を崩さずに。
きれいごとかもしれないけど、そうやって、新しくまた今日から生きていこうと、慎重に思った。