前向き後ろ向きではなく、力まずということ

去年同様、年末になると仕事は忙しくなる。
残業時間が長くなるという類ではなく、与えられた時間内にこなす仕事の量が増える。
つまり密度が濃くなる。

仕事上で心に掛かっていたことを二つクリアしたので、今はとにかく年末まで、視野を広くして働く気でいる。
他人から見れば「前向き」ということになるのかもしれないが、内面的には一つもそういう要素はなく、あえて言えば「ごく普通」の状態で仕事をしている。
呼吸をするように自然な感じで、気がついた作業を順番にこなしている。

そして思った。
いわゆる「前向き」とは、不自然に力んだ状態ではないだろうか。
力みがある以上、前向きだろうと後ろ向きだろうと、いずれ疲弊する。

前向きにも後ろ向きにもなろうとしない、流れに逆らわず、流れそのものさえ意識せず、受け入れたり受け入れなかったりを、意識に置かず自然に出来る状態が、一番理想的だと思った。

来年から担当者に変動があるらしく、新しく作ったDBがいよいよ本格的に運用されるらしい。
自動的に自分はそちらの管理者へスライドすることになる。
旧DBは旧Kくんに管理してもらい、わからないことがあったら自分がサポートする。

旧K君がこの1ヶ月半でどのくらい成長したかは、派遣会社の人も驚くのではなかろうか。
追加クエリもわからなかったのに、VBAのコードを書き始めるまでに至っている。
最近では、教える時間よりも、さまざまなツールの中身を調べたり、オリジナルのコードを書いて実験したりという時間の方が長くなっている。

どういう具合にスキルアップしたのかを、通信簿のように作って、上の人に渡してみようかと思う。

午後、新DBを利用するメンバーの机を一つずつ周り、新しく作ったフォームの説明をする。
将来的にはいらなくなるものだが、今のたまった案件を楽にこなすためには、便利じゃないかと思って作ったものだ。
Yさん、Mくん、Iさんと、Mくんと連続して説明をした。
Iさんには、
「私、モルモットですか?」
と出会い頭に言われたので、
「知らなかったんですか?」
と返した。

説明をしながら感じたのは、収拾がつかない状態が長く続いて、チームのコミュニケーションが取れていないことだった。
同じクライアントを担当する者同士の会話はあっても、隣の担当者とは会話をしない。
痛々しい状態だ。

仕事先では、演劇をやっている時の自分を極力出さないように、ずっと心がけていたのだけど、分裂していた自分が最近、一つになったように感じていて、話しかける口調が稽古場のそれに近くなってきている。
こういうのも、意識しないという状態なので、あえて止めずにしばらくは行ってみようと思う。

定時ちょっと過ぎに仕事を終える。
池袋へ。
「たつ家」でトシさんと飲む。
飲み始めて1時間と少しでとんでもなく深い話が出てくる。
色々な話を聞いたり、悩める魂が吐き出す言葉の羅列や、人物評など、雑談ばかりではあったが、気がついたら11時半を過ぎていた。
ハムカツも、コムライスも、煮込みもおいしかった。
この店はTHE WHOが必ずかかるから好きだ。

12時半帰宅。

旧Kくんがフットサルをやっていたり、みのりさんのマネージャー話が「俺のつむじ風」と重なる部分があったり、シンクロニシティかと思えるような出来事が続いている。
信じる信じないは別として、物事が流れ始めているのだなと思う。
そして、不思議なほど、静かな気持ちでいる。