8月が終わる。
最近は31日以前に夏休みが終わる小学校がある、というか、多いらしく、実感として「妙なもんだな」という気持ちがある。
8月のカレンダーをめくり、秋への心の準備をするのが、子供の頃からの儀式だった。
しかし8月31日の思い出に、いいものは多くない。
火遊びがばれて親に叱られたりとか。
大人になると、8月が9月になることを、たかが数字の問題と片付けてしまいがちで、入り込むすき間を見失った情緒が9月になっても胸のあたりを漂う。
やはりどこかに、夏を惜しみたい心が残っているのだろう。
今日は夕方から阿佐ヶ谷で稽古。
仕事後まっすぐ稽古場に行くと、新宿からのため6時前ぎりぎりに到着した。
決めていたわけではないが、参加者の状況もあり、8月の稽古はWSのようなものになった。
兜森君の別の一面や、千陽さんの巧さなど、発見は多かった。
台本の構成は決まっており、中身に入れる要素も決まっている。
あとは並び順をどうするかだが、ここで配役が重要になる。
あて書きを意識しているワケではないが、稽古が進むと頭の中にその役者が住み着き、活字がその役者寄りになっていく。
思った通りに生き生き動いてくれると、してやったりと思う反面、誰がやっても面白い本を書くには、この方法じゃ限界があるなあと思う。
旗揚げ公演『虻一万匹』は不条理劇で始まり、後半無茶苦茶な展開になる話なのだが、一度再演している。
だが、初演で役者が作った何とも言えない味は再現できなかった。
演出力が未熟だったのかもしれないし、配役が合ってなかったのかmしれない。
2月の『暮れなずめ街』は再演だが、出演者に合わせて全編書き直しているので、労力は新作と同じだった。
初演時のまま再演したら、無理があったろう。
それでも、過去作品の再演をしたいという気持ちが、最近高まっている。
『ラジコン少年』『ドッペルゲンガーの森』『1:1』『テキストファイル』は、もう一度同じ台本でやってみたい。
次回のマグ不足では、どれかをやるだろう。どれになるかわからないが。
稽古後、8月最後という名目で飲みに行く。
0時帰宅。
明日、明後日と稽古は休みだが、台本書きの前に制作作業をまとめてやってしまうことにする。
どのみちやらねばならないことだし、9月後半は心理的にそれどころじゃなくなっているだろう。