田和君が以前Twitterで、カツ丼のことをつぶやいていた。
「ゆで太郎のカツ丼はうまいよ。あと、なか卯も侮れない」
カツ丼フリークとして、いくつかリプライをして、最後に、
「でもオレは、オレの作るカツ丼が一番好き」
と返信した。
そのやりとりが発端となって、今日、田和君にカツ丼をごちそうすることになった。
いつがいいか、メールでやりとりをするうちに、豪介くんも一緒に来たいという話になった。
それならいっそ、もう一人くらい読んでも面白いと思い、この前古本をもらいにきたキク君にメールしてみた。
「行きます」
と彼は返事をくれた。
ところが、豪介君の仕事関係の事情から、明日に変更となった。
キク君にメールすると、
「明日はバイトです」
とのことだった。
せっかく行きますと返事をくれたのに、日程が変わったから呼ばないのも悪いので、今日はキク君、明日は田和君と豪介くん、二日連続でうちに呼び、カツ丼を食べさせることになってしまった。
珍しい、というより、一生に一度だけだろうこんな機会は、と思うことにする。
仕事後、西友に寄って豚ロース肉やパン粉などを購入。
帰宅し、久しぶりに揚げ物用の鍋を出し、トンカツを作るところから始める。
トンカツを揚げようかというタイミングでドアフォンが鳴った。
先月に続いて、キク君ご入来。
「悪いね、カツ丼しか食うものないよ?」
「いや、別に全然いいですよ」
キク君には飲み物を買ってきてもらった。
カツ丼が出來、二人で黙々と食べる。
正直、久しぶりに作ったので、味が薄めでいまいちだった。
食べ終わるとけっこう腹一杯になったので、飲みながら話をする。
主に、劇団運営についてのお話。
菊田くんといえば、
2008年7月7日
このブログに出てくる「知り合いの役者」が、彼だ。
この時にもらったメール、オレは忘れられず、キクくんは「思い出したくもない」という。
そうだろう。
だけども、この時のどん底から、よくぞまあこれまで頑張ってきたなあと、しみじみ思う。
正直な話、演劇をやめてしまうと思っていたから。
話は、劇団についての話から、パートナーシップの話、メンヘラの話、気を使うということの話など、ゆらゆらと続いた。
気がつくと12時を過ぎていた。
「自転車で来たんで終電は大丈夫です」
1時前にキク君は帰っていった。
カツ丼は確かにお腹いっぱいになったけれども、他につまみもなくお酒を飲んでいたので、その時間になると実はお腹がすき始めていた。
「ごめんねー、カツ丼しか出さなくて」
しかもあんまり美味しくなくて、とは言わなかった。
気分を切り替えて、明日のカツ丼に備えよう。
ストイックにそう思った。