一日中家にいて本を読んでいた。
橋本忍『複眼の映像』読了。
「七人の侍」までのシナリオは、複数人で書いたシナリオを、小国英雄が読んで、いいとか悪いとか感想を言うスタイルだった。
ところが「生きものの記録」から、小国氏も執筆者の一人となった。
そのため、作品を客観的に判断する「眼」が失われ、複数作家の方式は駄目になったというのが、橋本忍の指摘だ。
黒澤明は、書き始めたら休んではいけないといい、規則正しく執筆した。
朝から夕方まで書き、夜は酒を飲んで寝る。
脱稿までその生活が続く。
それでも、「七人の侍」執筆中は、途中でダウンし、一日中布団で寝ている日もあった。
その間、頭の中では、積み重ねられた物語の断片が猛スピードで並び替えられていたのではないか。