6時起き。昨日の残りのすき焼きを卵とじにしたやつを朝飯に食べた。
7時過ぎに新左近川へ。今日は満潮時刻が朝の10時40分過ぎだったので、そのくらいの時間に行けば釣りやすいのではないかと思った。
場所は昨日とほぼ同じゴロタ石のところにした。釣り始めて10分くらいして、一匹目のハゼを釣り上げた。
同じ場所で釣り続けるのではなく、当たりがなかったら移動することを心がけた。昨日と同じく時々クロダイがかかった。ダボハゼと、15センチくらいのウロハゼ以外は、10センチ前後のマハゼが釣れた。
テナガエビを釣りにきた兄さんが話しかけてきた。自転車で川沿いをひと回りしたが、誰も釣っている人がいなかったという。
釣りをしているうちに、浮きの動きはあまりあてにならないことがわかった。仕掛けを投げ入れ、当たりがなくて引き上げようとする時に、竿がぶるっとと震える。そこで、合わせをせずに竿を止めておくと、ハゼは続けて餌に食いつく。
つまり、子供の頃にやっていた脈釣りと同じことだ。それをやればいいのだ。
11時を過ぎたが、餌はまだ残っていた。一人で釣りをして1パックを使い切ることはそんなにないのだ。12時近くなり、バケツに入れたハゼがぐったりしてきたところで納竿した。
家に帰り、ハゼを捌いた。大きいウロハゼは骨をとり、天ぷら用に開こうとしたが、失敗して不細工な形になった。
シャワーを浴び、ハゼを唐揚げにして食べた。シンプルな味つけなのに身は甘かった。
甲子園の、中越対慶応の試合を見た。投手戦で、なかなか点が入らない展開だった。慶応の生井投手はストライクをどんどん取りに行くので、小気味よいと感じた。もっとも、初球でいかれるリスクもあるかもしれない。
試合は慶応が9回裏にサヨナラ勝ちした。中越は1塁3塁のチャンスを捕殺されたのが痛かった。
夜、トンカツ、エビフライ食べる。近所のお店で揚げてくれるらしい。母によると、美味しいので月一で頼んでいるという。確かに美味かった。
TOKYO FM聞く。村上春樹の「村上RADIO」
村上春樹の肉声を聞いたのは、エルサレム賞受賞演説の時が初めてだった。その時は英語だったので、日本語でしゃべるのを聞くのは今日が初めてだった。
予想していたより口調はくだけていた。80年代的にとっぽい感じだった。
走る時に聞く曲というコンセプトで、色々な曲と、それにまつわるエピソードなどを紹介してくれた。メモしながら聞いた。以下、抜粋。
ブライアン・ウィルソンの、ディズニー関連の曲をまとめたアルバムの曲が最初にかかる。ビーチ・ボーイズはサーフィンミュージックというコンセプトがかっこよくてしびれたそうだ。
アニマルズの “Sky pilot” ベトナム戦争の頃の反戦歌。7分23秒もあるのでA面B面分かれていたそう。ラジオでかかる時、DJがレコードをひっくり返す時の、音の空白がかっこいい。曲はベースラインがかっこいい。車運転しながら聞くのもいい。オープンカーで天気のいい日に。後半、バグパイプが流れる。スコットランドの連隊の行進曲。B面は破天荒。
「マイ・ウェイ」はうっとおしいが、アレサ・フランクリンの歌うのは感動した。
走るとき難しい曲はだめ。シンプルなのがいい。勇気を与えてくれるようなもの。高校時代、学校が神戸だったので、六甲山を走らされた。女の子たちは「がんばって」と声援するのに、春樹氏に対しては「村上くん無理しないで」だったそう。
坂本美雨が登場。リスナーの質問を読む。「葬儀の時にかけてほしい曲は?」
なんでそんなこと考えるのだろうね、と言いつつ、ビージーズの「ナイトフィーバー」と春樹氏。笑った。質問の答えとしては、生きてる時にたくさん聞いたから、死ぬときは静かでいい、とのこと。
「まったく音楽を聞かない時期はあったか?」の質問には、ヨーロッパに二三年いた時、「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」の頃は、音楽のない生活だったそう。ペット・ショップ・ボーイズ「サバービア」を聞くとその頃を思い出すそう。
「音楽のない生活と猫のいない世界、どちらを選ぶ?」という質問には、二者択一は答えないことにしているとの答え理由は、軽い気持ちで答えて本当にそうなったら後悔するから。だから答えない。
「バンドを組むならバンド名は?」 考えたこともないが、名前をつけてくれと言ってくる人はいる。店をやってた時に、アース・ウズマキ・アンド・ファイアーと答えたら怒られた。いい名前だと思うんだけど、と春樹氏。笑った。猫もバンドも名付けはむづかしい。
「ペンネームは?」 小説家になろうと思わなかったから考えなかった。でも、皮膚性病科で本名で呼ばれて恥ずかしかった。つけた方が良かった。
ジョージ・ハリソン “Between The Devil And The Deep Blue Sea” かかる。遺作っぽくなくていいとのこと。
フィジカルに書く傾向が強いとのこと。村上作品を読みやすいという人とは音楽で通じてるのではないか。
ジョン・アーヴィングに、走ってインタビューしたことがある。
作家は下半身が安定しないと書けない。誰も信じてくんないけど。物を書くにはフィジカルな能力はすごく大事。体力がないと2時間も3時間も机に座って文章は書けない。35年間毎年1回はフルマラソンを走ってる。
ホールアンドオーツの「ラブトレイン」かかる。映画「ボクの彼女は地球人」の挿入曲。原題はひどい。やらしてくれる、という意味。サントラ盤でしか手に入らない。ボク以外誰も買わないと春樹氏。
野球選手になって、神宮球場に出るなら、曲はライトマイファイアー。
好きな言葉は、スライ・ストーンの言葉。「ボクはみんなのために音楽をつくるんだ。誰にでも馬鹿にでもわかる音楽を。そうすればみんな馬鹿ではなくなるから」
一番納得したのは、村上春樹の作品が好きな人は、春樹氏と音楽的になにか通じているのではという自己分析だった。わかる気がする。
8時半に実家を出る。先月、実家から自転車で帰る時は、ペダルが重くて大変だったが、今日はとても軽く感じた。新宿まですいすい走れた。10時帰宅。
劇団漠の後輩の小松からメールが来た。メール? 彼は20年前から、かたくなに携帯電話を持たないようにしていたはず。驚いて返信すると、電話がかかってきた。
小松くんの声を聞くのは16年ぶりだった。やや低くなっていたが元気そうだった。しばらく話す。
1時半就寝。