インドの目薬

夢を見て目覚めた。6時10分だった。

本番を迎える夢。
客席が畳敷きの劇場。
役者は、百合香さん、平木くん、金ちゃん、なべさん、見知らぬ女優。
舞監は田中さん。
照明には、以前の仕事でやりて上司だった女性。オペレーターは知らない女の子。仕込みかつ初日の朝なのに、その芝居の台本がまったくできていない。
役者に、「今回、基本的に即興で」と言うと、「えー?」と言われたが、見知らぬ女優は真剣に聞いていた。
ゲネプロの時間が迫っている。台本がないので、照明のところに行き、明かりの変化はないと伝え、周りの皆には、自分の中に物語はあるのだというフリをしてみせる。
もちろんそんなのはなく、その場で取り繕っていくしかないと考えている。

起きてから、こんな状況は嫌だとしみじみ思った。

魚フライとポテトフライを食べ、コーヒーを飲み、ブログを更新した。
水耕栽培の様子を見ると、枯れそうになっている茎には根が生えていて、元気な方は生えていなかった。
枯れ草をゴミ袋にまとめて捨て、砂利の間から生えた雑草を引っこ抜いた。

8時40分に家を出た。晴れていたが暑さは感じなかった。風が涼しくて気持ちよかった。
トラベリング・ウィルベリーズのファーストアルバムを聞いた。ジョージ・ハリスンはバンドの一員である時生き生きする。1970年代、ポールがウィングスを結成したように、ジョージもバンドを作れば面白かったろうにと思った。

コンビニで『明暗』読む。津田とお秀の口論と、そこへお延が入ってくる場面まで。

仕事、朝一で電話応対。受電の番号を教えてもらわなかったので、点滅しているボタンを押してとったら、別の人の電話だった。とんちんかんな受け答えをしてしまった。

昼、「味咲家」でカツカレー食べる。

『明暗』読む。津田とお秀とお延の駆け引き。お延が切り札の小切手を出す。津田が黙って受け取れば、夫婦のツーカーっぷりをお秀に見せつけられたのに、津田は怪訝そうなリアクションをとるという、お秀にとってがっかりな展開のところまで。

仕事後、「All Things Must Pass」を聴きながら自転車を漕いだ。ある程度の音量がないと魅力が減じるアルバムで、その点、イヤフォンに向いているかもしれないと思った。
初めてこのアルバムを聞いたのがいつだったのかはよく覚えていない。二十代の半ば頃だったのではなかったか。その頃、アコムがレンタルCD業をやっていて、国分寺の店で借りて聴いたのだった。名盤との誉れ高いことは知っていたが、期待して聴いてみると、ピンとこなかったのを覚えている。大きい音で聞かなかったからだと思う。それに、CD化された最初のバージョンは評判が良くなかった。

6時半帰宅。ウエルシアへ買い物に行く。キッチンペーパー、オニオンサラダ、缶のハイボールを買った。鯖の水煮を買おうと思ったが、すべての商品が品切れだった。

ポテトフライと魚フライとたこ焼きを夕食に食べた。昨日と同じメニューだった。

インドの目薬、カトラミデが届いた。はちみつが配合されている。涙が出るほどしみるが、その後目がすっきりするという。さっそく試してみようと思ったが、突如、意気地なしになってしまった。怖かった。明日の朝試してみようと思った。自分の意気地なさを思う存分堪能した。
通販で買ったのだが、インドから直接空輸されたらしい。紙ではなく布で包装されていた。中に飴が三個とティーパックが二包入っていた。サービスなのかもしれない。海の向うでインドの人が、日本人向けの小包にそれを入れている姿を想像すると、微笑ましい気分になった。突然、丹下段平が現れ、「ジョー、ほっこり、ってえのは、それだよ」と言って消えた。弁解する暇もなかった。

寝る寸前にウォッカをストレートで少量飲み、10時半就寝。