ロッドパーツ消失と、全メール消失事件

真夜中の12時頃に起きた。旧江戸川河口に向かう。

満潮時刻は明け方だったが、その前の1時から3時頃までの時間、潮が上げている時に釣りをしてみようと思った。ポイントを河口にしたのは、海水が上がっていくのだから海に近い方がいいのではないかと思ったからだった。

舞浜大橋手前の堤防に自転車を止めた。その場でタックルの支度をする。
しかし、ロッドを継いでリールを取り付けようとした時、何かがおかしいと気がついた。

リールシートにはめたリールを止めるための、スクリュー部分がなくなっていた。

ロッドケースの中に落ちていないか探したがなかった。どこで落としたのだろうかと考えた。前回、シーバスを釣った場所。そこで片付ける時に、リールを外すためにスクリューを緩め、その後竿を逆さまにしてスクリューが落っこちたが、それに気づかずに片付けてしまったのに違いなかった。

あちゃー。
今年の1月、深夜の葛西橋へ釣りに行ったものの、ルアーケースを忘れてしまったことがあったが、その時とはレベルが違う。スクリューをなくしてしまったら釣りができん。

ともあれ、今日のところは何もできないので、帰ることにした。

ローソン100円ショップでコーラを買って1時帰宅。3時までウイスキーのコーラ割を飲み、なんでなくなったんだろうと考えていた。

7時起き。
朝飯に、ご飯、鯵、大根おろし食べる。

現場に行き、誰得ツール作業の続きをしようとすると、ログインアカウントが消えてしまっていた。
オレのアカウントは近々使えなくなると聞いてはいたので、それまでにバックアップ作業をしようと思っていた。しかし、予告なくいきなり消されたので、焦った。

幸い、ファイル群は別ドライブに退避させていたので、蟻さんに借りたアカウントでログインすれば作業は続行できた。

午前中、ぎすぎすした気持ちを抱え、苛ついた状態で座っていた。仕事もなかった。

『クリス・オーデル回顧録』読了。
1968年にひょんなことからビートルズのアップルで働き始めた女性が、その後もひょんなことが続き、ジョージ・ハリスンのアシスタントや、ストーンズ、ボブ・ディランのツアースタッフをしながら過ごした、セックスドラッグロックンロールの日々を回想したもの。
こういう本は、回想で語られる有名人たちのエピソード数が面白さに比例すると思うが、そういう意味で大変面白かった。
エピソード数は著者の人間性とは関係ない。読んでいると彼女の行動には首をかしげることも多かったが、清廉潔白な人だったらそもそもこうした本を後世になって書くことはできなかったはずだ。
勝手な想像だが、たぶん彼女は、書いている以上に多くの有名人とベッドを共にしたのだと思う。あけすけな言い方をすると、当時、周囲の男たちは、彼女のことを『誰とでも寝る子』と認識しており、その『誰』の中に有名人がいることで、他の有名人も彼女に好奇心を持つという連鎖があったのではなかろうか。
でないと、次から次へと有名人のツアースタッフをやれた現実に説明がつけられない。ミック、キース、ディラン、CSN&Y、どんなコネだよ? と思ってしまう。

だが、彼女が語るジョージ・ハリスンのエピソードはどれも素敵だった。エリック・クラプトンがろくでなしなのには笑った。これは、元妻のパティが書いた自伝の裏付けにもなっている。

あと、セフレ男に裸のビデオを撮らせたら、そいつがさらに悪ノリして、自分の兄貴とエッチしてるとこを撮らせてくれと言ってきて、憤然として断ったというエピソードが笑えた。もっと前に憤然としなよ、と思った。

昼、『上海亭』でラーメンと半チャーハン。餃子3個がサービスでついてきた。全体的に普通だった。

午後、アカウントが消去され、過去に受信したすべてのメールも復旧できないとわかった。

予告なしに、仕事で使っているメールアドレスが変更され、古いアドレスに届いたメールはすべて消去されたら、ビジネスマン諸兄はなんとされる?

あり得ないことが起こったわけだが、なんか、お気の毒に的な感じで遠巻きにされ、本来管理すべき人に「僕らもメール変更では困ってるんですよ」みたいなことを言われ、ぶちん、と切れた。

貴様ら、なぜワシに何も言わん?
言う義務がないとはいわさん。

で、事情を幕府に密告した。
どう考えてもオレに起こったことは不祥事だし、現場がそれをなあなあな感じに持っていこうとしていたので、密告という手段を使った。薄汚いオレにピッタリの手段だぜ。

すると幕府から早速現場に「どうなっておるのだ」という通達がきたらしく、現場サイドの連中がオレの席にやってきた。そして、メール復旧について「ご相談させてください」と言い、「なんとか一部だけでも復旧できるように頑張ります」とか言いやがった。

オレは、
(幕府の威光ってすごいや)
と感心しながらも、一部の復旧じゃ意味ねえなあと思っていた。
なぜなら、過去の送受信メールは、検索対象として全件あってこそ価値があるからだ。オレが誰かに送ったり、あるいはオレ宛てに誰かが送ってきたりしたメールだったら、内容を覚えているものが多いし、重要なものならジョブとして扱い、すでに結果は出している。
そういうメールではなく、例えば、ある語句をもとに検索して、その件に関して今まで来ていたメールを調べるという使い方をするには、全部がないと困るのだ。

6時半帰宅。

幕府からメールが来ていた。やはり、現場に通達していたらしい。
だが、オレが密告したのは、切腹させるのが目的ではない。メール全件を復旧させる強権を発動していただけないものかと思ったからだ。我が藩ではどうにもならないが、幕府なら朝廷とのつながりもある。将軍様の御威光でデータリカバリの勅を出させることも可能ではないか。

だが、メールによると、絶対不可能らしかった。

なので、だったら復旧しなくてもいいと返事をした。眼の前で復旧努力するさまを見せられるのは面倒だし、時間がもったいない。過去メールがないならないで、これからも生きていくしかない。

返信して時刻を見ると12時を過ぎていた。中日は阪神に勝ち貯金を3とした。

12時半就寝。