初のファンダイブ

外が明るくなったのでスマホを見たが、まだ5時半だった。7時半に支度ができた状態で集合だったので、1時間半は寝ていられそうだった。

うとうとして起きると6時半を過ぎていた。もう、これ以上寝ていても仕方ないと思い、布団の上に起きて、昨日買った梅干しのおにぎりを二つ食べた。

歯を磨き、支度をし、7時半に車に乗った。雲見に向かう。緊張の度合いが高まっているのを感じた。

雲見に着き、まずは機材のセッティングをした。レギュレーターをいきなり逆に取り付けてしまったが、あとはなんとか思い出せた。

2階に上がり、カワシマさんからコースの説明を受ける。海底トンネルを行き来するコースだ。暗いのでライトは必須とのことで、借りることになった。

9時に乗船するスケジュールに合わせて機材を背負った。5月はドライスーツだったが、今回はウェットスーツだったので、ウエイトを前回より2キロ軽くした。それでも6キロあり、他の参加者から「重くないですか?」と聞かれた。

乗船しフィンをつけ、船尾に移動する。ポイントにはすぐに着いた。ボートから入るのは初めてだったが、その場で教えられた通り、一歩前に進むようにして入った。

ガイドの説明を聞き、BCから空気を抜いて潜降をはじめた。さて、息を吐くぞと思ったら、どんどん潜降していくのに驚いた。ドライの時は息を吐いても吐いても沈まなかったのに。

ともあれ、耳の圧平衡をし、BCに空気をいれつつ潜降した。そしてバティを探した。ところが、どこにいるのか皆目わからなかった。あれ? あれ? と思い、周囲をぐるぐる見回したが、誰が誰だかわからない。ここで少し混乱してしまった。ブザーの音も聞こえ、ますます焦った。

しかし、バディはレスキューだし、たぶんオレの位置くらい把握しているだろう。慌てて上がるのは論外だし、視界には参加者達がいるのだから、ガイドに従ってこのまま行こう。そう思った。

洞窟の入口は岩の向こう側にあった。そこまで進んでから深く潜行し、ライトをつけ、中に入った。真っ暗だったが、他のダイバーが見えたし、みんなで一緒に進むような感覚だったので、怖さは感じなかった。

また、進むうちに呼吸で浮力を調整する練習ができ、初めの頃より体勢も良くなってきた。

途中、夥しい小魚の群れと、身をくねらせて横切るウツボを見たが、まだ周囲の魚に注意が行く段階ではないと自覚した。

エア残量が120と70の時に報告しないといけなかったが、100になっていた。あわててアシスタントさんに知らせた。

トンネルを出て、浮上ポイントで5メートルの位置まで浮上し、3分間待機した。水面に出てBCに空気を入れ、シュノーケルをくわえ、エグジットした。

エア残量は20になっていた。やはり、消費量が多い。冒頭、混乱してたくさん吸い過ぎてしまったのではないかと思う。ウエイトも重すぎるようだった。

タンクを新しいのに替え、ログを書き、ウエイトを2キロ減らして4キロにした。

次のダイブも洞窟探検だったが、行き止まりみたいなところに進んで戻ってくるようなコースだった。戻る時に上をみてくれと言われた。光があたる感じがきれいらしい。

ウエイトを減らしたが、潜降はうまく出来た。ガイドのBCの色を覚えておいたので、今度は見失うことはなかった。

1回目より落ち着いて行動することができた。トンネルの中に入って出てくる時、言われたとおり上に目を向けると、光の加減が美しかった。初めて、楽しい、と思った。

浮上の際、フロートを浮かべる時に、とちった。空気を入れ、フロートを浮上させていると、それ違う、みたいな感じに背中をつつかれた。何が違うんだろうと戸惑っていると、手を離すようなサインを送られたので、フロートのヒモを離すのかなあと思っていると、BCの空気を抜けと示された。そうか、ヒモを離して抜くんだな、と思っていると、ヒモは離してはいけなかったようで、フロートは上に上がっていってしまった。

それをとってきてもらい、5メートルのところで3分カウントしていると、なんと、息が吸えなくなってきた。残量を見ると0になっていた。すでに1分経過していた。周りを見るが、バディを確認できなかった。これは、ゆっくり先に上がってしまうしかないと思い、そっと上がり、BCに給気した。アシスタントさんが上がってきたので、エア切れしたので上がりましたと言った。

2回目は、フロートの準備をするまでは良かったが、間違えを水中で指摘されると、簡単に混乱してしまうことがわかった。エアーもその時にたくさん消費してしまったのだろう。

シャワーを浴び、ログを書き、12時半に雲見を出た。

コテージに戻る途中のレストランへ。しかし満席とのことだったので、1時半に席予約をし、いったんコテージに戻り、荷物をまとめて戻ってくることになった。しかし、オレは荷物を全部持ってきていたし、店の前のベンチで日影の風に吹かれて涼むのが心地よさそうだったので、そこで一人待つことにした。

ファミマで炭酸飲料を買って飲み、そのへんをブラブラ歩き、皆が戻ってくるのを待った。1時半頃に皆が歩いて戻ってきた。店にはすでに席が用意されていた。今日、バディだった、レスキューのヤマダさんから、今日の評価表をもらった。エアー消費が多いことが述べられていた。彼は昨年7月に始めて、今はレスキューなのだという。オレのシーバス釣り師経験より短いのに、しっかりレスキューライセンス。オレのシーバス熟練度は、ドラクエ2に例えれば、いまだにサマルトリアの王子にさえ会っていないのに。

煮込み磯うどんを食べた。海老やカニがのったうどんだった。

食べ終わり、歩いてコテージに戻った。車に乗り、明日も引き続きダイブするヤマダさんらと別れる。

1時間半ほど走ってから、いちごプラザというドライブインへ。缶コーヒーを買おうとしたら、カワシマさんから苺大福を勧められた。名物なのだという。

苺大福を買い、食べてみた。白あんの甘さと苺の酸味のバランスが絶妙だった。これは土産に買っておこうと思い、苺大福と桃大福を買った。

そこからショップまで二時間ほどかかった。その間ずっとスマホで、昔の『たまむすび』録音を聞いていた。

6時、ショップ到着。精算を済ませて店を出る。

『江川亭』へ。昨日のうちから、今日の夕飯はここで食べようと決めていた。

ラーメン大盛りもやしにんにくを頼んだ。別皿でやってきたにんにくはかなりの量があった。

7時半帰宅。シャワーを浴び、ビールを飲む。

1時過ぎ就寝。