オードリー・タンのデジタル民主主義

8時過ぎ起き。作業前に書き物をし、9時半から作業。

依頼についての進捗は特になし。

昼、かぼちゃ煮つけ、きゃらぶき、切り干し大根、ミネストローネ。

午後、依頼とは別口の仕事。扱っているファイルのセキュリティ設定をしなくてはならず、過去一年以上にわたって保存してきたファイルの設定を確かめた。めんどい。

夕食に、よだれ鶏、かぼちゃ煮つけ、ミネストローネ残り、切り干し大根、蕪の葉よごし、さば水煮と玉ねぎ和え。

さば水煮は、昨年末にりほさんからもらったものだが、脂がたっぷりのっていて、異様なほど美味かった。あまりに美味かったので、食べ終わった後りほさんにLINEして、商品名を確かめた。八戸前沖さばの缶詰らしい。

『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』読了。

デジタル民主主義の概要だけでなく、オードリー・タンがどのようにして政治に関わるようになったのかも、ざっくりと語られていた。

両親はどちらもインテリで、家の本棚にはプラトンの『国家』があり、幼い頃からその中にあるソクラテスの問答を読んでいたという。教育方針は、何かを求める時になぜそれを求めるのかをはっきりさせることであったそうだ。

プログラミングに興味を持ち、学業の途中でシリコンバレーに渡って起業。オープンソースの思想へ共感を持ち、2014年に台湾で起きたひまわり学生運動のストリーミング再生をサポートしたことをきっかけに、リバースメンターとして政治に関わりを持つ。

リバースメンターというシステムは、各大臣が採用しなくてはならない35歳以下の助言者であるそうだ。デジタルに疎い年長者と、デジタルネイティブのコンビというわけだ。

クアドラティック・ボーティングについても解説されていた。この方式を知った時は、選挙もそうすればいいではないかと興奮したのだが、本書によると『選択肢が人間である時には機能しない』とのこと。

しかし、民主主義を改良可能なテクノロジーとみなし、エンジニア的なアプローチで改良を施していく態度には、イデオロギーを頼りに改革する時によくある他者との対立がない。結果、本書には他者を貶め侮辱するような発言が一切ない。

また、エンジニア的なアプローチだからといって、非人間的な効率主義というわけでもない。公共のイシューを広めるには三つのFである、Fast Fair Fun が重要だと語ったり、共感できるぬくもりを感じる。

意見のコメント欄に返信機能をつけないという工夫も面白かった。返信があるとそこに暴言を書き込む人が出てくるからだ。読んだ人は良いか悪いの二つしか反応を示すことができない。こういう小さい工夫が色々なところに施され、旧来の民主主義を改良していくのが、デジタル民主主義であるのだと思った。

『国境デスロード』見る。

メキシコ国境からアメリカ入国を目指す移民の回。プジョルジョ氏はベネズエラから来たダニエルと仲良くなり、彼に密着取材をする。過去、違法入国したことがあったため、入国時に二日間勾留されたが、無事アメリカに入国することができた。先に入国していたプジョルジョくんのカメラで、アメリカに入国できたダニエルを映した場面では、思わず涙がこぼれてしまった。

数ヶ月後、仕事を得て一日17時間働くダニエルと再会。トランプ政権になったため、妻子の入国が不可能となってしまった。それでは意味がない。ベネズエラに帰りたいとダニエルは言う。

場所は変わり、再びメキシコ。マフィアの抗争やまない町。マフィアに金を払えばアメリカに入国できるが、大金であるため、こっそり入国を試みる者もいる。しかし、見つかると容赦なく撃たれるため、怪我をした移民がいる。うち一人は大腸を撃たれたため疾患を抱え、パスポートも金もない状態になり、故郷にも帰れずアメリカにも渡れず、町に取り残されてしまった。国際移民デーには国境を渡れるという噂を信じてその日を待つ移民もいる。移民用に食事を提供する施設があった。そこで彼らは食事をする。うまいらしい。唐辛子をかじる者もいる。プジョルジョくんも真似してかじる。当然辛い。そのリアクションに皆が笑う。ここも涙してしまった。

その日がきて、国境に向かって走る人々をカメラが追っかけるところで、今回放送の全編が終わった。面白かった。今のテレビには太刀打ちできないだろう。プジョルジョくんの無事を祈るばかりだ。

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