送別会その2

9時から仕事。
朝飯は食べず。

午前中ふつうに仕事。
改修は一つだけあったのでそれを済ませる。

昼のメンテナンス、早めに終わる。
さいきん、空き時間が長い。

ひとつ離れたシマに、バカ笑いする人がいる。
ずっと前から気になっていた。
特に5月6月の昼休みはひどかった。
だが最近は笑い声がやや控えめになっている。
坊主になったらしいと昨日聞いた。
不始末をやらかしたのか。

キーボードのタイプ音とか、鼻息とか独り言とか、食べる時のくちゃくちゃ音とか、飲む時のゴクゴク音とか。
笑い声に限らず、音を出すということに無自覚な人は、音そのものよりも、無自覚さが問題だ。
そういうことを無自覚であり続けた人生を、他人は想像し、それでずっとやってきたのかと思い、距離を置く。

一番問題なのは、そのことを本人に言ってあげられないことだ。
音を出してる本人は、
「言ってよ?」
という気持ちなのかもしれない。
でも、言ってくれる人は絶対に現れない。
ただ、距離をおくだけだ。

メンテナンスも早く終わったし、音も不愉快だし、早めに休憩しようと思って外に出た。
暑かった。
コンビニでキャベツサラダとチキンと、カップヌードルのトムヤムクンを買って、休憩室で食べる。
その後、少し台本書き。
バンドメンバーの会話を整理する。

午後、相変わらず暇。
何かトラブルなり改修なり依頼があれば忙しくなるが、秋まではないだろう。

KZさん、本日最終日ということで、お菓子を配って歩いていた。
しょうゆのおせんべいをもらう。

6時にあがる。
新宿東口へ。
バーガーキングでコーヒーを飲み、ノートパソコンで諸作業。

7時過ぎ、送別会の店へ。
夜景がきれいな店という触れ込みだったが、壁と壁の隙間からビルの明かりが見えるだけだった。
刑務所みたいだった。

飲み物はすべてピッチャーでやってくるというシステムだった。
メニューを見る。
カルーアミルクがあった。
カルーアミルクがピッチャーでくるところをひと目見たいと思って注文したが、
「飲み物はすべてピッチャーで来ますので…」
と、ギャル店員に注意された。
なら、なぜメニューにのせるのだろう?

KZさん遅れて到着。
4つの部署それぞれから、総勢30名以上集まった。
夏の親睦会の意味合いもあったかもしれない。
知っている顔が少なかったが、割り込んで話したり、文句を言ったりして、それなりに楽しく過ごす。

10時に一次会終了。
流れで二次会へ。

別チームのメガネ君から相談を受ける。
「僕、今年で三十四歳になるんですよ。だから悩みますよ結婚とか」
「結婚したいならすればいいじゃん」
「相手がいないですよ」
「じゃあ相手見つけなきゃね」
すると、離れた席にいた二十一歳のKSさんがが言った。
「何々さん、いつもあたしの足見てますよね。ばれてますよ!」
彼は、あわわわ、となっていた。
「とりあえず相手見つけなよ。でも、結婚する前に二年くらい同棲した方がいいんじゃない?」
とオレは続ける。
「そんなにですか?」
メガネ君は及び腰だ。
「おい、きさま、何を期待してるんだ? 仕事で疲れて帰ってきたら、いつも新妻がいやしてくれる、そんな新婚生活をイメージしてるんじゃねえだろうな」
「ダメですか?」
「当たり前だバカもの。嫁さんだって色々辛いんだぞ」
いつの間にか、今年入社したばかりの二十歳の女の子がそばにいて、うんうんと頷いていた。

何となくという感じで二次会はお開きになった。
一期一会だなあと思う。

12時半帰宅。