『虻一万匹』のラストを書いた。
もとは歯医者の待合室で順番待ちをしている男の話だ。
歯医者で流れる時間は普段よりも遅く感じるということを元にして、そこに本筋とは関係ない遊びを入れたのが初演バージョン。
遊びの部分は当時の出演者達が共通に持っていたルールに基づいていた。
同じ演劇や映画を見て、同じ時代の空気を吸った者同士のツーカー感覚が、見ている人に通じた。
一度再演したときは、遊びの部分をそのままにやろうとしたので、うまくいかなかった。
そのときも書き直したのだけど、構造はそのまま、レトリックだけ変えたのだ。
今回は役を減らし、構造を単純にしたのだか、1時間30分弱のものを30分に縮めるために、肉をほとんど削ぎ落とし、骨格を再編成した。
再編成なんて書くと大したことをやってるようたが、いらないカードを切って手札を並び替えているようなもので、ややこしいが事務作業に近い。
夕方、西荻北で稽古。
台本があがっても、気分は冴えなかったが、稽古をしていると元気になってきた。
稽古に行きたくない稽古鬱は、稽古に行くと霧消する。
なので、稽古に行きたくないようなどんより気分を何とかするには、稽古に行くのが一番良い。
会社や学校にも当てはまるかも。
稽古後、「李房」にて飲む。
去年の稽古以来だ。