照明、音響のスタッフさん達が見に来た。
衣装を着けての通し稽古をする。
腰の方はストレッチを入念にやったおかげか、ほとんど痛みを感じなくなっていた。
しかし調子はいいとはいえない。
照明の村上、音響オペの横岳と臼井さん、舞監のオギノ式がそれぞれ到着。
7時から通し稽古。
台本が完成してからあまり間がないことや、まだ稽古していないシーンが残っている関係で、後半になればなるほど芝居全体が拙くなった。
まあそれはこれから稽古すればよろしい。
台詞の入りも後半ほど悪い。
それもこれから覚えればよろしい。
通しの後、飯野はスタッフさん達と打ち合わせに入り、その間役者は自主練をした。
その時、何かの拍子に加奈ちゃんに「突っ込み」を入れたが、手元が狂ってレッツゴー三匹ばりの「本突っ込み」になってしまった。
叱られた。
稽古後、安楽亭で飯を食う。
人数が多いのでテーブルは二つに分かれた。
オギノ式に開口一番言われた。
「ドカさんどうしたんですか。元気ないですね」
ドキッとした。
なぜかはわからないけど、確かに最近調子が悪い。
芝居が原因と言うわけではない。自分の中から濁った何かが滲み出してきている感じだ。
だから鬱というわけではないのだが、それでも元気がないといわれたらドキッとするような状態ではある。
石焼きビビンバを頼んだのだが、いつまでたっても来なかった。
従業員に催促したところ、「器が割れてしまいまして、もう少しお待ち下さい」とのこと。
時刻は11時20分を過ぎていた。
来るまでオギノ式に今回の芝居の感想などを聞く。
やっと石焼きビビンバが来た時は既に11時30分を回っていた。
急いでそれを食い、勘定を済ませる。
なんと、石焼きビビンバは、時間がかかりすぎたために、タダにしてくれていた。
おかげで俺達のテーブルは一人850円で済んだ。
ラッキーだ。
皆と別れ、丸の内線の西新宿駅に走る。
電車に乗った時点で11時53分だった。
赤坂見附で銀座線に乗り換え、日本橋に着いた時は12時16分。
東陽町行き最終電車しかなかった。
東陽町から西葛西まではおよそ5キロ。
歩けばそれなりに時間がかかる。
とぼとぼと永代通りを東へ歩き、葛西橋通りでタクシーを拾う。
1500円かかった。
夜、浅草キッドの「お笑い男の星座」を読む。
楽しみにしていた本だ。
以前週刊文春にこの本が紹介されていた時には、和田アキコとYOSHIKIの乱闘騒ぎなど、あたかも芸能界の暴露本みたいな扱いを受けていたが、浅草キッド自身がそれを強く否定していた。
彼らによればこの本は「エンターテイメント・ドキュメンタリー」なのだそうな。
読んでみればわかるが、これはかなり上質な芸能論文である。
発売日完売の話もうなずける。
一気に読み進み、3時に読了。