いまさらいましろたかし読む

朝、ご飯、味噌汁、魚肉ソーセージと玉ねぎ炒め、茄子のぬか漬け。
ヤマザキ春のパン祭りのため、最近はパンを食べることが非常に多くなっているのだが、そろそろ目標ポイントに到達するので、ご飯食に戻りたい。

しかし、米が今日切れた。
だが買えない。ふるさと納税の返礼品が10キロ以上届くから。
プラス、実家にも、政府さんからお米の配給が届くはずであり、85歳の母一人では当然食い切れないので、そちらも半分くらいはもらうことになるだろうから。

よって、当分お米には不自由しなさそうである。
太るな、いや、太るね。

現場にて、新人の南さんに、技術的レクチャーというお題目でたわ言を喋った。その昔、ワタナベさんや野武士に色々教えたことを思い出した。昔のオレはなんて偉そうだったのだろう。

昼、『ごはん屋 おゝ貫』へランチを食べに行くが、ご飯がなくなったため営業終了していたので、隣の『キッチンまつむら』に入った。
デカメンチカツ、チキン南蛮、しょうが焼きのセットを食べた。混んでいたので出てくるまでかなり時間がかかった。

『殺しへのライン』と、『竜馬がゆく』2巻を、代わる代わる読んでいる。
『殺しへのライン』は、探偵と相棒が事件に巻き込まれるというパターンで物語が展開する。しかも、何もかもわかっているけど何も教えてくれない探偵と、語り部でありながら何も知らされずやきもきする相棒というキャラクター設定である。探偵小説の香りが本から漂ってくるかのようだ。そのかぐわしさに恍惚となる。

夜、おかずの残りと味噌汁。

『初期のいましろたかし』読む。
思っていた以上に、読んだことがある作品が多かった。特に後半「ザ★ライトスタッフ」収録作品の中に。その時期は、本作目当てに意識してビジネスジャンプを立ち読みしていたのだと思う。

印象的な回は、暑い日に山下が立ち食いそばでミニカレーを食べる話だ。
店長の善良そうな顔。「ふんふんふーんん」と鼻歌を歌うところ。この世のすべてが気に入らないという態度でカレーを食う山下。
特にストーリーはないのに、その後、立ち食いそば屋に入る時、この話を思い出したものだった。

夏休み前に失恋し、退屈な日々を過ごす、作者の分身みたいな男の話も覚えている。これもストーリーはないのだが「嫌いになったわけじゃ ないの」「金ちゃんそれポンですします」「さすが理科大 あなどれん!!」などの台詞を強烈に覚えていた。

今回読み返して、読んだことのなかった作品のうち、山下弟が兄の漫画をけなす話が、とてもとても、心に残った。「面白かった」と単純には書けない。
山下弟は、落ち込む兄をあとにして部屋を出て行くのだが、なぜか自分も泣けてしかたがない。そのまま泣きながら町を歩き、宗教勧誘に声をかけられた時、彼はぶち切れてしまう。

ああー、弟の気持ちわかる。

オレもそうなる、という解り方でわかった。しかし、なぜわかるのかはわからない。自分の気持ちが分析できない。

『初期のいましろたかし』に収録された作品は、奇妙なことに、発表時期がバブル時代とぴったり重なっている。しかし、登場する男達のほとんどが、さえない独身ビンボウ暮らしをしている。

まるで、バブル時代なんか存在していないかのように。

いや、そもそも、存在しなかったんじゃないか?
読んでいるうちにそう思えてきた。

だから、いましろ作品は、一部の読者に刺さるんじゃないか?
なんちゃらミクスなんか、ねーよ、という類の人々に。