打ち上げを楽しむ日

10時劇場入り。
1時開演なので準備に費やせる時間はそれほどなかった。
急いでダンスとオープニングの返しをやり、写真撮影を済ませた。
ジョギングはせずに本番に臨む。

劇中の一服シーンが響いてか、手足の先が冷たかった。
日々走り、吸っていなかった先々週には感じなかった。
芝居は安定感が出てきた。
多少ミスがあってもフォローや挽回ができる状態にある。

昼、綾香とノブ君来る。
満足に話はできなかった。
OXの稽古はもう始まっているらしい。

4月に客演する芝居でお世話になる篠原さんが来られた。
「あれ、若い人だったんだ」
と言われた。
舞台上ではいくつに見えたんだろう。

ソワレまでの間メイクは落とさず。
肌荒れが限界にきており、瞼にかさぶたができかけていた。

5時にソワレ開演。
芝居の後半に、ねこさん扮するヤクザが健吾君をひっぱたくシーンがある。
昨日のソワレでは、そのビンタがあご先にクリーンヒットしてしまった。
健吾君はしばらく脳が揺れ、足がふらついたという。
今日のビンタも強烈だったらしく、その後のシーンで彼の顔を見ると、口元が少し切れていた。

直美、久保田くん、浅香が来てくれた。
久保田くんは少し痩せていた。

バラシをし、楽屋の手荷物をまとめ、リフトでの搬出を済ませると、すでに9時半だった。
がらんとした楽屋を写真に撮る。

駅南口の居酒屋で打ち上げ。
大人数なので、席に着くまでが一騒ぎだ。
打ち上げ明けの明日は、朝から夕方まで用事がある。
だから、今日の打ち上げでべろんべろんになってはいけない。
(今日はマジメな話しかせんぞ)
(演劇話しかするまいぞ)
呪文のようにぶつぶつ唱える。

乾杯の音頭をこばちゃんがとる。
挨拶を始めた時に、すでに涙声になっており、
「早っ!」
という劇団員のつっこみを浴びていた。

かおりちゃん、寒河江くんとそれぞれ演劇話をする。
しかし彼我の年齢差が二桁であるため、必然的にこちらが<森繁節>みたいなものをひとくさりする感じになってしまう。

説教臭と加齢臭には気をつけないといけない。
説教がいけないわけではない。
だらだらするのがいけない。
するべき時には短い言葉で、裂帛の気合いもろとも、敵の肺腑を抉るように発するべし。
なまくら刀でいたぶられるより、そっちの方がいいもんだろう。

今日は色々な人と楽しく会話できた。
真理菜ちゃん、翼君とは、恋愛話を少し。
なっつからは、今年こそ彼氏を作るという決心を聞く。
尾池さんとは来年の『三国志』の話など聞く。

あっという間に4時を過ぎた。
締めの挨拶をこばちゃんがする。
ふたたび涙声になっていた。

皆でわらわらゆったりと店を出る。
駅にサクサク歩いていったのだが、後からついてくる者は誰もいなかった。
20分近く待つと、上野方面への始発が来た。
寒いのでそれに乗った。
巣鴨で降りて、新宿方面への始発に乗り換えた。

5時半帰宅。
急いでシャワーを浴び、髪を乾かし、目覚まし時計をセットして6時に寝た。