ざらっとした読後感の『鈴木先生』

11時起き。
納豆、もずく、ひじき煮で遅めの朝食。

心配していた筋肉痛はほとんどなかった。
走り込みの成果だろう。

『鈴木先生』を3巻まで読んだ。
登場するキャラクターすべてが、漫画のセオリーから微妙にずれた<力み方>で存在している。
その<ずれ>が、独特の雰囲気を醸し出している。
漫画的というよりは、演劇的であるのだろう。

鈴木先生の悩み方は、巻が進むごとに深層心理の階層を底の方へ降りていく。
真剣ではない。
深刻なのだ。
その深刻さは、演劇的な過剰さとなぜか相通ずる。
プライドの高い生徒の竹地君が、自己中心的なプライドの壁を崩壊させられ、ショックのあまり教室で水平方向にゲロを吐き、「ウエエエン!」と泣きながら完全なる敗北感を漂わせつつ先生に保健室へ連れて行かれるシーンなど、まるで山崎哲作・演出の舞台を見るようであった。

それでいて、
(こいつ、バカだねえ)
で終わらない、妙な引っかかりがある。

(こいつは、オレだ)
(オレも、こんなだったんだ)
と、『七人の侍』の三船敏郎の台詞を引用しつつ思ったりする。

読み手の心に残る<イガイガ感>は、純然たるエンターテイメント作品とは一線を画している。
しりあがり寿の『真夜中の弥次さん喜多さん』を初めて読んだ時の感覚に似ているかもしれない。

夕方、「くら寿司」でまずい寿司を食おうと思ったが、予約に失敗。
代わりに訪れた家系ラーメン屋は、営業開始が1時間後。
仕方なく「すき家」へ行き、メガ牛丼を食べる。

昨日走ったコースを逆に走って帰宅するのはいくらなんでも無理なので、二子玉川まで電車で移動し、そこから環八を北上して帰ることにした。
駅を出て、高島屋の脇の道を走り抜け、環八を目指すが、いきなり急な坂に遭遇した。
二子玉は環八から坂を下ったところにあるのだった。

初っぱなからエネルギーを吸い取られる思いをしたが、環八に出てしまえば我が家までの10キロは楽勝だった。
電車賃も浮いた。

シャワーを浴びてから飲み物を買いに外へ出る。
気温がかなり下がっていた。
日本酒を少し買う。
暖めて飲んだ。