朝9時起き。
軽く朝食をとる。
10時過ぎから走る。
今日は30キロをゆっくり走ることに決めていた。
コースは事前に調査済み。
家から久我山を渡り、甲州街道を仙川へ。
仙川から狛江へ。
狛江から津久井道を西へ。
静養明けのためか、初めは体がずいぶん重く感じられた。
仙川を過ぎたあたりから体が軽くなった。
狛江から多摩川を渡り登戸へ。
そこで給水する。
津久井道を西へ。
登戸、向ヶ丘遊園、生田、よみうりランド前、百合ヶ丘、新百合ヶ丘。
小田急線と平行に走る。
鶴川の手前でゼリー補給。
登戸から鶴川に至る道は、走るにはまったく適していなかった。
歩道は狭く、でこぼこしており、上り坂と下り坂が交互に延々と続く。
一定のペースで走ることが難しい。
鶴川から道を左折し、緑山を越えてこどもの国そばを走る。
そこから目的地までおよそ10キロだった。
20キロ走った状態で走るには、きわめてしんどい勾配が続いた。
筋肉が悲鳴を上げる。
半歩どころか、三分の一歩ずつしか進めない。
やっと坂を越えて下り坂になったと思うと、また坂だ。
おまけに、正午あたりから風が強くなってきて、付近の林から花粉やら砂埃やらを巻き上げる。
ウェアは汗が乾いて塩まみれ。
顔は泥まみれ。
ひどい状態だった。
途中のガソリンスタンドで、自分自身を洗車して欲しかった。
2時間49分で30キロ走破。
最後の10キロはペースがかなり落ちてしまったが、最後まで歩かずにすんだのでよしとする。
坂も、結果としては心理的に良い負荷になった。
平地でのフルマラソン走破に自信がついた。
夕方から夜にかけ、まったりと休む。
外は春一番が吹き荒れていた。
強風がたてる轟音が聞こえた。
走り始めるのが午後だったら、途中でリタイアしていたかもしれない。
武富健治の『鈴木先生』を読む。
絵の微妙な濃さと、キャラクターの演技過剰さに笑う。
ギャグマンガでないことは確かだが、声を出して笑わずにいられない。
自分だけだろうか?
ゴール後、焼きそばを二人半前分食べた。
夜はレバーの炒め物とご飯を食べた。
食っても食っても胃袋が、
「コポコポコポ」
と音を立てて、食い物を吸い込んでいるような感触がある。
そして食うと確実に体が、
「ポカポカポカ」
と暖まる。
カロリー消費の帳尻を、体が合わせている。
ビデオでNODA MAPの『透明人間の蒸気』を観る。
野田さんの、舞台上で延々と遊んでいられる役者的資質を再確認。
それに六平直政さんが付き合い、果てしない舞台の奥へ向かって追いかけっこをするシーンは、涙が出るほどおかしかった。
戯曲は精緻極まりない。
それなのに、物語(ストーリー)だけでなく、
<二十世紀>も、
<神話>も、
<ニッポン>も、
どん欲に包み込むキャパシティがある。
舞台装置は、具体的なものじゃない方がいい。
そして、裸舞台に近い方がいい。
リアルを作り出す場所は、舞台を観るお客さんの頭の中だ。
お客さんがそこに砂漠を見つけることができれば、舞台に本物の砂を使う必要はない。
そしてそれは、演劇が他のメディアより長じている特性だ。
宮沢りえが素敵だった。
阿部サダヲが元気だった。
やっぱり本物が観たいなあと強く思った。