ちゃんと

9時に起きてしばらく日記を書き、先週の日曜と同じ朝市に行く。
海苔巻きバイキングをやっていたが、二週連続で海苔巻きの快楽に負けるのは不健康であるように思えた。

豚肉と野菜を少々、それに食パンを買って帰宅。
豚汁を作って食べる。
野菜の補給目的だ。

来週のマラソンのことを考えると、どういうわけか憂鬱な気分になる。
半年前から少しずつ準備してきて、こんな状態になるのは初めてだ。
まるでマタニティーブルーのようだ。

コーヒーを飲み、音楽を聴き、コモドール64のエミュレーターでメガデモを動かしてそれを漫然と見たりした。
古いコンピューターが動作しているのを見るとなぜか心安らぐ。
ろうそくの炎を見つめている時と似たような気持ちになる。
「そこに時の移ろいを見るからだろう」
などと、わかったようなわからないような、わけのわからないようなことをつぶやく。
もう4時だ。

新宿に出て、シューズを色々見る。
女性の店員に、
「来週フルマラソンを走るんですが、いいシューズはありますか」
と聞く。
お勧めの品を履いてみたが、普段履いているジョギングシューズと履き心地も重さも変わらないように思えてしまった。
これも大会間近の<微鬱>のせいか。

結局買わずに店を出る。
されど店員さんから、
「完走できるといいなあ!」
と言われ、すごく嬉しい気分になる。
「頑張って」
という言葉を使わない励まし方は、さすがにスポーツ専門店の店員だなあと感心した。
彼女に幸あれ。よろしく神様。

阿佐ヶ谷の『黒んぼ』で黒んぼ定食を食べる。
量は普通。
でも安い方。
ただ、富士ランチの方が<チープな旨さ>は上のような気がする。

7時帰宅。
走る気になれず、シャワーを浴びてごろごろする。

横山剣『マイスタンダード』読む。
剣さん初の自伝。
ゴーストライターを使わず、語りおろしでもなく、おそらく自分の手で書いている本。
節の終わりに独特の剣さん語があったりする。
「そーそーそーそー」
など。

だから、まじめに音楽感を語っている部分でも、説教臭さがみじんもない。
それでいてキラリと光る名言や箴言がぎっしり詰まっている。
書いているうちにノッてきて、時系列順に進んでいた話がそれていったりするのも面白い。

「バンドを言い訳にしない」
という言葉には、胸が震えた。

つかこうへいさんがあるインタビューで、時々舞台に素人を上げる理由について、
「(役者よりも)普段まじめに働いている人の方が凄いに決まってることを、舞台に上げることで役者も気づく」
みたいに答えていた。
これはつまり、
「役者を言い訳にするな」
ということになるだろう。

大仁田厚はFMWの若手に、フランスベッドでの仕事を斡旋していた。
ハヤブサ選手によれば、
「プロレスしか知らない若い兄ちゃんに、まずちゃんとした社会人たれといった教育的効果があった」
とのことだ。

これらのことを自分なりに生かすとすれば、二つの決意表明ができる。
一つは、
「ちゃんとしろ」
もう一つは、
「言いわけするな」

言いわけについては気をつけないと。
blogをやっている以上、言い訳する場には事欠かない。
実際、よくしてる。

文言を、
「言いわけしなきゃいけない羽目に自分を追い込むな」
に変えるとすればそれは、
「ちゃんとしろ」
に置き換えられる。

結局は、
「ちゃんとしろ」
に尽きるということか。

そういうわけで、ちゃんとしよう。
ちゃんとしてるか、チェックしよう。