年と役と見切り

夕方、阿佐ヶ谷の「ミート屋」でスパゲッティを食べてから、だるま座へ。
宇宙キャンパスの芝居見る。

上岡君が初めて演出を手がけた。
受付で会う。
「すんません連絡全然しないで。かなり、テンパってまして」
と言われる。
共同演出にこばちゃんが、出演者には台本の作者であるばんちょーが名を連ねていた。

総じてドタバタだが、
「こういう必然性があるからドタバタする」
というより、
「ドタバタするための必然性を後付け」
しているように感じられた。
コメディと名乗らねばいけないという強迫観念もあるだろう。
だが、コメディにしたいあまりコメディにならないというパラドックスに陥っており、笑わそうとするシーンがもたれた。
だが、初めて演出をする上岡くんに、このパラドックスを逆手にとって演出する芸当を期待するのは酷だろう。

終演後、タカ君に挨拶。
最近見るタカ君の芝居が、妙にいい。
相手の態度を伺う卑屈な感じがなくなり、茫洋としつつも達観しており、なんだか気になってしまう。
「10月のマグ出ないか?」
と、王貞治をスカウトした荒川コーチのように声をかけると、目をピンポン玉のように真ん丸にさせていた。

劇場の外で西野さんと4年振りに会う。
メールアドレスが微妙に変わったとのことで、教えてもらう。

セリくんと荻窪まで歩いて帰る。
役の型と、そういう役をやれる期限についてなど。
年齢が関わる話。
森繁さんは、爺さんの役を50代ではじめた。
だから、本当に爺さんになっても、世間は違和感なく見てくれた。
そういう見切りは重要だと思う。