夜、大島行きの船に乗る

8時半起き。寒い。

ガスファンヒーターは出さず、足元こたつでしのぐ。暖かいのでけっこうしのげる。ガス代、どのくらい節約されているものか。

昼食に肉うどんを作って食べる。ネットで検索したレシピで、2人分を1人分に換算して作ったが、どう考えても醤油が多すぎた。やや失敗。

夕食にトースト3枚、チキンハンバーグ。

一日中、特にやることもなく、なすこともなし。ヒマをみては大島行きの荷造りをした。ドライスーツ、BC、レギュレーター、軽器材をスーツケースに入れ、着替え等をリュックに入れた。

風呂に入り、8時前に家を出る。新橋からゆりかもめで竹芝に9時過ぎ到着。乗船券予約表を受付に渡し、チケットに交換する。

ファミリーマートで、ビールと乾き物、明日の朝食用のおにぎりとあんパンを買った。

9時45分、さるびあ丸に乗船。2等和室へ直行。

出船後、レインボーブリッジを過ぎるあたりで少々夜景の写真を撮った。

あとは消灯時刻までビールを飲みながら、宇野千代『おはん・風の音』を読んだ。

「おはん」は昨日読み終えた。加納屋という染物屋の息子で、今は古道具屋を営んでいる男が、過去の出来事を語る構成。

男にはおはんという正妻がいたが、おかよという芸妓とできて、おかよの家に転がり込んでいた。おはんは直後に自分との息子を産んでいた。名前を悟という。

男は何年かぶりにおはんと再会し、ひとりで盛り上がって、おはんとよりを戻そうとする。一方、おかよは男との縁をいっそう固めるため、2階に自分たちだけの部屋を普請し、親戚のお仙という女の子を呼び、芸妓として仕込む。

息子の悟は男が父とは知らず、古道具屋に鞠を買いに来たりする。加納屋は悟が息子だと知り、愛しいと思い、おはんと三人で暮らそうと決意し、おはんを説得し家を探すが、ぎりぎりのところでおかよが気になって、おかよの元に戻ったりする。

悟は、加納屋が父親だとうすうす感づいていたのか、一緒に暮らせることを楽しみにするが、家に移り住むその日、急いで家に駆け戻ろうとして土手から川に転がり落ちて死んでしまう。加納屋は、自分が急がせるようなことを言ったからだと後悔し、おはんも家を処分してどこかに行ってしまう。

セックス中毒の男が、よその女にムラムラし、別れた後の妻と再会してムラムラし、それぞれ二人きりになると、折に触れ押し倒してセックスしているだけの語りである。おはんはそんな加納屋に文句一つ言わない。

しかし、昔の女はそれほど従順で、男がどんなに浮気しても耐え忍ぶものだったのだということが描かれているわけではなないと思う。むしろ、男の煩悩をより際立たせるため、ことさら女をそのように描いているような気がする。

そして、逆説的にだが、そういう男の性を利用して、女も女で性を楽しんでいるのよ、みたいな秘め方を、宇野千代はしているのではないかと思った。男がバカであるほど、その用途は女にとって性器のみ、となる。

そう考えながら読むと、加納屋という人物の成り立たせ方は怖い。男のデフォルト値がバカだから、女達はいちいち嘆いたりしないのだと読める。すごい作品だな。

2等和室の二つ隣のスペースに女性客がいたが、それ以外は男客だった。

11時台に消灯したので、コートを上からかぶって寝た。毛布など必要なかった。野宿上等。ぜんぜん快適だ。