味付けはいいとして、あとはコク

 昼過ぎに起きた。
 週末は寒くなるとの予想だったが日が昇ると結構暖かい。
 それでも起きるのが辛いのはどうしたことだろう?
 なんだかここ数年ずっと起きるのが辛いような気がする。

 昼の1時半に学芸大へ。
 劇団漠新歓公演「莫」を観る。
 閉ざされた扉の内側に暮らす人々の人間模様。
 ベルリンの壁を思い出した。

 見終わってから貫井南センターへ行く。
 稽古は5時からだったのだが、その前にオギノ君と舞台について話したかったのだ。

 図書室で待っているとオギノ君がやって来た。
 部屋はまだ開いていなかったので外に出たら、入り口で女の子が一人座っておにぎりを食べていた。
 よく見ると阿部さんだった。
 「なぜこんなところで?」
 と声をかけると、横にいたオギノ君は驚いて、
 「小さな女の子が座ってるかと思いましたよ」
 と言った。
 阿部さんは立ち上がると顔を真っ赤にして、
 「今回出演する阿部千尋です」
 と、髪の毛が少し短くなった「えせパンク」のオギノ君に挨拶した。

 5時から稽古。
 鶴マミが本日引っ越しのため休み。
 よって「夏の子プロ」の稽古。
 昨日からやっていた細かい直しを最後までして、それから通しをする。

 通しをやった上での細かい直しは、もっとも効果的な修繕作業だと思う。
 毎回、通し稽古にこだわるのは、この修繕作業をやりたいからに他ならない。

 9時少し前に通しをする。
 テンポが劇的に変化した。
 それまでよりも4分も短くなってしまった。
 ノリはとても良かったが、そこまで早くする必要はないと思った。

 「とりあえず味付けはこれでいいとして、あとはコクかな」
 そういうと皆はわかったようなわからないような顔をしていた。

 10時帰宅。
 残ったご飯でたまごおじやを作る。