森に囲まれた稽古場で迫り来る秋にプレッシャーを感じながら淡々と稽古した。
その稽古場は文字通り森に囲まれているから大笑いだ。
しかし日が沈むと真っ暗で怖い。
幽霊が出るという噂は今はまだないがこれから広めるつもりだ。
横岳とマミちゃんのシーンを稽古し、しのちゃんのシーンを新しく作る。
横岳は疲れると何を言い出すかわからない爆弾女だ。根が力持ちなのでマミちゃんとの格闘シーン(そんなものあったっけ?)ではまるで高田と戦ったときのヒクソンのように無敵である。
しかも二人とも戦いに熱中し、しばしば一線をこえていた。レフリーがいないからスリル満点のシュートだ。
しのちゃんはチャップリンが好きなのだという。芝居の設定とは関係なかったが、チャップリンについて丸ちゃんと即興で語ってもらう。
女の子のシーン中心で稽古時間を使い果たしてしまった。
帰りにみんなとお好み焼きを食う。
「舞台で裸になるっていいよな」と松本健が言った。
しのちゃんは「わたし、胸だけならいいですよ」と爆弾発言をかました。
しかし、裸はある意味絶対零度と同じだから、それ以上脱ぐことが出来ないのが欠点だ。
時間が経つと人は裸に慣れてしまう。
だから、慣れてからが勝負なのだろう。
何の勝負かわからんが。
部屋に戻るとすごいことになっていた。
散らかり放題だ。
これじゃ人間としていけないと思い、夜中の2時まで片付けをした。