下がろうとする行事

朝起きて、これはダメだと思った。何が? よくわからないが色々ダメだった。
こういうことは時々あるのでいちいち書かない。理由があることもないこともある。どちらでも同じことだ。
無理にアガろうとすると下がる。

だから、むしろ、無理に下がろうとした方がいい。
風邪にたとえると、「気味」を長引かせるのではなく、さっさと冷水をかぶってこじらせて高熱を出して寝込む。その方が肉体のポテンシャルを発揮しやすくなる。精神においてもまた然り。やけ酒はそのためにある。だから、いざという時に、酒をやけ酒として機能させるために、日頃からアルコールをセーブするという考え方もある。魂の冠婚葬祭以外は飲まない。

下がるために飲む酒は、より深く酩酊するためにある。気をつけないといけないのは、飲む時に一人でいることだ。誰かがいると迷惑をかける。誰かにいてもらおうとするのは、少しでもアガろうとしている証拠だ。違う違う。下がるんだから。落ちるんだから。

不思議と、下がろうと努力するとなかなか下がらない。空気抵抗と同じだ。下がろうと力むと、上昇気流に阻まれる。

下がろうとすることは、定期的に行う精神の行事だが、長引くとしんどいことになる。過去の経験では、長引くときはいつも、アガろうとしていた。だからかえって、上昇気流に気づけなかった。終いには、羽ばたくことに疲れ、空気抵抗を感じるすべを失ったまま、より下層へ墜落していった。下がるにも、ほどというものがあり、あまりにも下の方へ落ちるとなかなか上がれなくなる。

今日は、そうやって、下降を試みる一日だった。そしていい天気だった。