晩秋の鎌倉

 今年最後の連休初日。鎌倉に行ってみた。
 11月下旬にして空には雲ひとつなく、日差しは暖かで、これがいわゆる小春日和かと妙に感動する。

 鎌倉駅に着いたのは午前11時ごろだったのだが、小町通りの混みようは凄まじかった。
 とりあえず甘味処「竹よし」にて、当分の補給をしてから、ふらふらと散策する。

 鎌倉市はリス天国だという。
 人の手から餌をもらい、栄養状態が良くなった結果、増えに増え、今では電話線を齧るなどの悪さをしでかす厄介ものだという。
 見られたらもうけものだろうと思っていたら、海蔵寺にて遭遇。
 でけえ。
 異常に警戒心の薄いリス

 女の子二人連れに、源頼朝の墓の場所を聞かれた。
 「源氏にゆかりのある方ですか?」
 とはさすがに聞かず、ちゃんと教えてやる。

 昼飯時を少しずらしてから小町通りに戻ったのだが、人通りはピークに達しており、どのお店も行列ができていた。
 うまい店ともなると50人くらいの行列ができており、鎌倉市は急性食糧危機に罹っていた。

 有名人の色紙がやたらと張ってある怪しいカレー店で、何の変哲もないカツカレーを食い、江ノ電に乗るために駅まで行くが、なんと、あまりの観光客の多さに江ノ電さえも入場制限をしていた。
 まるでTDSのアトラクションだ。

 仕方ないので長谷方面への観光は取りやめ、由比ガ浜でかきピーなどを食いながら、波の寄せては返すさまを漫然と眺めた。
 小春日和とは言っても海風は冷たかった。

 日が沈んでから駅に戻る。
 東京や横浜やらに帰るであろう観光客が切符売り場に殺到し、駅改札は明治神宮の初詣みたいな有様だった。