FMWの冬木弘道が引退した。
大腸ガンのためらしい。
そういえば最近ノアの三沢が冬木を試合に出していた。
病状を知ってのことだったのか。
冬木といえば「理不尽大将」のあだ名で、インディー界でも有数のヒールだった。
忘れられないのは99年の横浜アリーナ大会だ。
その大会がこけたら団体の存続は危ないという状況で、冬木は徹底的にヒールを演じきり、そして見事としか言いようのないくらいぼろぼろに負け、最後は清掃車によって夢の島に運ばれていったのだった。
FMWが倒産したのはスポンサーが降りてしまったためだ。
不景気のあおりというやつだ。
しかし倒産後も冬木は独自の考えでプロモーション活動をしていくはずだった。
それなのに、大腸ガンとは。
初期のガンらしいので、切除後はプロモーター業に専念するらしい。
週刊プロレスと日刊スポーツの記事を読み、涙した。
南中野にて「夏の子プロ」稽古。
マラソンをしたら信じられないほど体が重かった。
血が首の後ろで固まっている感じがした。
普段の半分ほどのペースで走る。
それでも汗をたっぷりかいた。
たぶん体調が悪いのだろう。
全体の4分の3ほどに動きをつけた。
芝居自体それほど長くはないので、その気になれば形はつけられる。
問題はそれをこなれた状態にしていくことだ。
通しを沢山出来ればいいなと思う。
さて、腸内洗浄器だ。
届いた荷物には専用のコーヒーエキスが5本入っていた。
それをプラスチックの容器に入れ、合計1リットルになるくらいまで人肌程度のぬるま湯で薄める。
容器の底にチューブを取り付け、チューブの先端は液が出ないように容器よりも高い位置にキープしておく。
そしてチューブの先端には、チューブの先端があるのだった。
形状はボールペンのキャップみたいな感じで、横向きに穴があいていてそこから溶液がでるようになっている。
で、そいつを、肛門に差し込むわけですな。
セッティングを済ませたものの、さすがにすぐ「カモン!」というテンションにはなれなかった。
が、そんなことをしているとお湯が冷めてしまうのだ。
サイは投げられたのであった。
ユニットバスにこもる。
先端部分に付属のローションオイルを塗り、挿入を試みる。
しかし、どの位入れたものかよくわからない。
5センチくらい入ったあたりで止め、チューブを押さえていた指を離した。
ぬるま湯コーヒーが直腸に入ってきた。
正直言って、気持ちのいい感触ではなかった。
思わず情けない声を出してしまう。
200ミリリットルも入らないうちにチューブを押さえてしまう。
息を整えお腹を何度かさすり、再びチューブから手を離す。
しばらくはその繰り返しだった。
悪戦苦闘することおよそ10分ほどで1リットルの溶液を無事腸内へ送り込むことに成功した。
マニュアルによればその状態でしばらくお腹をマッサージするとのことだった。
が、不自然にチャポンチャポンと音をたてる下腹部のままそんなに待てなかった。
すぐさま便器に向かう。
風呂釜掃除の気分だった。
蓄積されていた汚れが落ちていくのを目の当たりにするのは、理屈をこえたカタルシスがあった。
こうなると欲が出る。
一度では落としきれない宿便を排泄すべく、腸内洗浄2回目にチャレンジ。
前よりは大胆になっているのが自分でもわかった。
そして、ぬるま湯が入ってくる感覚も、実はそれほど悪くないのだということに気づいた。
アタシの中で何かが変わり始めている?
2回目は注入後しばらくお腹をマッサージしてみた。
しっかりゆすぐという感覚に近い。
意外なことに、ぬるま湯を1リットル注入してもそれほど便意を催さなかった。
どうやら大腸が水分をどんどん吸収してしまうらしいのだ。
ということは、腸内洗浄器に「いいちこ」を混ぜたりしたら、大変なことになる。
あっという間にべろんべろんだ。
腸内洗浄を2回繰り返すとなぜか体力を消耗していた。
お腹は確かに少しへこんだようだ。
そして無性に喉が渇いた。
結論から言えば、これはイイ。
くせになりそう。
悪いものを出すという課程が、とてもわかりやすい。
何しろ自分の宿便を目でじかに見ることができるのだ。
だから、鏡の中に写った顔が上気し、目が潤んでいたとしても仕方ないのだ。