寝ぼけ怪メール

 朝の9時、PHSにメールが来た。
 寝ぼけ眼で確認すると伝Pからのメッセージ。

 「貫井北町って学校の前だっけ?」

 稽古場の場所を訪ねるメールだったのだ。
 半分眠った状態で返信した。

 ところがしばらくして再び伝Pからのメールが届いた。

 「わかんねえよ」

 場所の教え方がまずかったのかと思い、次のメールをもう一度送り直した。

 「ラーメンショップ椿の近くで、畳敷きの集会所」

 彼は行ったことがあるはずだから、それで十分だった。

 昼になってから自分が送信したメールを確認してみた。
 すると、最初に送ったメールは次のような文だった。

 「塚本です。畳職のてくチアーできん」

 なるほど、これじゃあ「わかんねえよ」だと思った。
 寝ぼけメールなんて初めて打った。

 しかし「畳職」って何だろう。
 畳職人とでも打とうとしたのだろうか?

 昼、ラーメンショップ椿に行き、つけめん大盛りを食らう。
 大量の麺をモップみたいにつけ汁につけ、情け容赦なくむさぼり食ってやった。

 1時より稽古。
 阿部さんとトモミゴロのシーンを中心に。

 ごくごく簡単な仕掛けなど、日頃あまりできない部分を練習する。
 実験みたいで面白い。

 夕方、らーめん二郎に行き、小ラーメンにんにく入りを食らう。
 200グラムを越える量の麺をまばたきせずに飲み下してやった。

 二郎帰りはなぜかやさぐれる。
 肩で風切ってしまう。

 夜7時半から通し稽古。
 スチールのアサカ、照明の中山君見に来る。

 通し中、出番を待っている望月がうずくまっていたのだが、畳についた肘のすぐそばを巨大なクロゴキブリが悠然と歩いていた。
 演技をしていたオギノ君はそれに気がついてしまい、台詞が出て来なくなっていた。
 しかも、「私たち二人は」という台詞を「私たち姉妹は」と言い間違えていた。

 トモミゴロも健ちゃんとのシーンで吹き出していたし、なんだか落ち着きのない通しになってしまった。

 通し後、武蔵小金井で飲む。
 久しぶりの「壱番館」
 つまみをあまり頼まず、ビールを飲みながら食い物の話をしていたら、一人1000円で済んだ。