マリー・アントワネットを語る少女

 「谷間の百合」を先週からずっと読んでいる。読みづらいったらない。
 バルザックの小説は同じ登場人物が別の作品に顔を出すことが多いとのことだ。
 それは一つの面白さだが、続けて読むのはしんどい。

 夕方、西新宿の街頭にて Yahoo!BB の申し込みをする。
 実家での登録だ。
 だが、モデムを入れる手提げ袋が正月の福袋並に真っ赤っかで、もって歩くのが恥ずかしいったらない。

 江古田にて稽古。
 40分ほど早く着いたので、地域センター近くの中華屋でラーメンを食う。
 その後ロビーでくつろぐ。

 受付の若い男に小学3年生くらいの女の子が話しかけていた。
 顔見知りらしく、女の子は慣れた様子だった。
 「マリー・アントワネットってね、怖いんだよ。知ってる?マリー・アントワネット」
 受付の男は仕事をしながら相手をする。
 「知ってるよ。ルイ16世の奥さんだよね」
 「ん?」
 「ルイ16世知らない?」
 「知らない」
 「昔フランスにまだ王様がいた時にね、ルイ16世っていう王様がいてね、オーストリアから奥さんをもらったの。それがマリー・アントワネットなの。だからマリー・アントワネットはオーストリアのお姫様だったの」
 少し間があってから女の子は答えた。
 「マリー・アントワネットってね、怖いんだよ」
 どうやらルイ16世には興味なかったらしい。

 阿部千尋稽古。
 仕事人間というキャラクターを嫌みのないものにするための稽古をした。
 これまで追求してきたのはぴりぴりしている仕事人間だが、その設定ではどうやっても嫌みな人間になってしまう。
 別の視点から仕事人間を作れないかと考えた結果、ある程度「できあがった」人間にすることになった。
 うまくいけば超然とした感じが出せるだろう。

 望月とマミちゃんシーンは妙に等身大なリアリティがある。
 不思議なもので、戯曲的に面白い仕掛けを施していなくても、そのリアリティが出ていれば安心できる。
 何の変哲もないシーンが長く続いても、退屈さを感じない芝居がたまにあるが、秘密はそのあたりにありそうだ。

 11時過ぎ帰宅。
 ビールを飲み、すぐ寝る。