ガス代と一小音頭

 ガス代を払ったら財布が急激に軽くなってしまった。
 献立への影響を考え、おかずがなくてもなんとかなる炊き込みご飯を作ることにし、材料を買いに行く。

 隣の小学校では春の運動会をやっていた。
 かつて真夜中に働き昼に眠る生活をしていた時は、小学校から聞こえてくる運動会の練習の音が実に忌々しかったものだ。
 が、今は平日の昼間に寝ていることはなく、部屋にいることもないので、助かっている。

 さすがに本番は平日ではない。
 だから今日のような日は騒音公害直撃となる。

 昼、おにぎりとサラダ、味噌汁。
 おかかと長ネギと味噌をまぜたおにぎりは、おもったより米がぱらぱらほぐれ、握っても握ってもまとまらなかった。

 運動会は6年生のリレーというクライマックスの後、凄まじいアトラクションを近隣住民にぶつけてきた。
 題して「一小音頭」である。
 おそらく国語の先生が作詞をし、音楽の先生が作曲したものであろう。
 三味線の伴奏にのせて、児童が歌う。
 これが凄まじい音痴なのだ。
 リズム感もゼロ。
 声の調子から判断するに、大舞台に臆する色はなく、その度胸のみを買われたと推察できる。
 ただし、近隣住民としての自分にとっては、落語の「寝床」みたいな状況となんら変わることがない。
 「さあ、皆様も一緒に踊ってください」
 教師のナレーションもむなしく、ひどい音痴の「一小音頭」は歌いきられ、終わった後に訪れた微妙な静寂が、場に臨んだ人々の当惑を表していた。

 夜、炊き込みご飯、ピーマンと豚肉の中華炒め、若布と卵の炒め物、大根の味噌汁、ほうれん草のごま和え。
 野菜多し。

 「ぼくの魔法使い」観る。
 斉藤洋介さんが出ていた。地味だけどうまかった。
 井川遥はもはやレギュラー状態となっている。
 西村雅彦は生彩を欠いている。
 伊藤英明と篠原涼子は相変わらず好感が持てる。

 昨日巨人に完封負けした阪神は、今日ムーアの活躍で完封勝ち。
 しかも1対0。
 打点はムーアというすさまじさ。
 「バントで送って、ムーアに回せ」
 という状況は、まるでDH制を採用しているかのようだ。
 ある意味、革命だ。