伊豆熱川温泉

 朝5時半に起きた。
 「去りゆく夏、去りゆき防止委員会」を個人的に結成し、伊豆の熱川まで海水浴に行くことにしたのだ。
 昨日とはうって変わってどんよりと曇った空の下、246から小田原方面へ車を走らせる。

 8時過ぎに小田原着。
 空は相変わらず曇っていたが、秦野あたりを通る際雲間から青空がのぞけた。
 天気予報によると、伊豆地方は本日曇り。明日は雨だった。

 小田原から海沿いの道を走った。
 根府川、湯河原の断崖を走ると、左手に海が見える。
 新幹線や東海道線でおなじみの景色だ。
 海水浴場には客の姿がなく、もしかすると遊泳可能期間が終わっているのではと不安に駆られる。

 熱海を過ぎ伊東にさしかかるあたりで急に天気が良くなってきた。
 伊東では「P」のマークが書いてあるうちわを使って「当たり屋」寸前の危険度で客引きをする海の家の呼び込みが、海岸通り沿いに沢山並んでいた。
 そして、あの「ハトヤ」ホテルを間近に見た。
 これは、俺ら世代にとっては結構感動ものだ。

 伊東にゆくならハ・ト・ヤ
 電話は4126(ヨイフロ)
 今でも4126なのだろうか?

 熱川温泉に着いたのは10時半頃だった。
 宿に車を止め、すぐ海岸に行くと、海水浴客がまばらにいた。
 空は晴。
 海水浴をするにあたっては問題のない天候だった。

 高い波に高笑い

 それからおよそ4時間ほど、泳いで休み、休んでは泳いだ。
 熱川の海はとてもきれいで、鎌倉みたいに海の中でヤリまくるバカップルもおらず、とても心地良い海時間を過ごすことが出来た。

 惜しむらくは「去りゆき防止委員会」の存在意義がいつの間にか曖昧になり、「去りゆくのもまた仕方ない同盟」の結成を許してしまったことだ。

 3時過ぎに宿に戻り、温泉につかる。
 熱川はその名の通り、豊富にわき出る熱い湯が海に流れこんでいるのだ。
 たっぷり1時間入浴し、部屋でくつろぐ。

 夕食を食べおわるとさすがに疲れを覚えたので、11時まで仮眠をとり、その後ひのき風呂につかる。
 夕方や明け方ならば海が展望できたのだろうが、夜の11時ともなると暗闇だけだった。

 部屋に戻り、ウイスキーをちびちび飲む。
 外からは川のせせらぎが絶えず聞こえてきた。
 冬になると湯気が出る川なのだろうけど、真夏の今はただの川にしか見えなかった。
 時々海岸の方からロケット花火の音が聞こえた。

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