イヤなイヤな夢

 朝、いやないやな夢で目覚める。
 小学校の体育館みたいなところで、マグネシウムリボンの公演をしている。
 俺は下手袖でパンフレットに書くための原稿を書いているが、開演時間が迫っているため、覚えていない台詞の確認ができない。
 やがて本番が始まる。
 演目は「第二ゾーンへ」で、プロローグは無事終わったのだが、1場に入る前に舞台を小学生の鼓笛隊が演奏しながら横切る。
 それを見てなぜかほっとする。
 しかしその後の芝居はぐちゃぐちゃで、山口君は見知らぬ誰かと舞台の縁にコウモリみたいに逆さづりになって会話をしたり、松本健は突然芝居を止めて役者を並ばせ、お客さんに謝ったりしていた。
 役者が舞台から戻ってきて飲み行く相談を始めたので思わず怒鳴ると、マミちゃんが「ああよかった昨日泣いといて」と泣きながら言った。
 「もう俺はおしまいだ!」
 と頭を抱えているところで目が覚めた。

 起きると非常に寒かった。
 半袖でいると寒かった。
 にも関わらず半袖で居続けた。

 過去の日記データが膨大な量になり、その整理に苦労している。
 3年8ヶ月分もあるので、いちいち手を加えるとかなりの時間を割かれる。
 よしなしごとを書きつらねただけとはいえ、これだけの分量があるとなにかに使えないものかと思う。
 検索とか。

 サイトを立ち上げたのは2000年の夏で、その頃はタグを手打ちにしていた。
 やがてフリーのHTMLエディタを使うようになり、2001年からはDreamWeaverのお世話になっている。
 そういえばごく初期のトップページは、背景が宇宙だった。
 文体も「はしゃいでる」感じがして、今読むと大変恥ずかしい。
 今書いているこれも、何年か後にはきっと恥ずかしいと思うのだろうか。

 日記を書く時はずっと、WebDiaryというフリーソフトを使っている。
 カスタマイズが割と楽にでき、大変重宝している。

 しかしこれから先5年7年と日記のデータが蓄積されたら、過去データの管理はどうなるのだろう。
 ふと、不安に思った。
 筒井康隆の「敵」では、主人公の老人は自分の貯蓄が底をついたら死ぬ時だと考えている。
 余命を自分で設定出来るからこその充実、そして質素で豊かな日常なのかもしれない。
 となると、この日記も、まずは自分の寿命を想定し、残り日数から必要なサーバーの要領を計算すれば、移転の苦労を減らせるかも。
 例えば俺の寿命が残り47年分あったとして、日記が置けるスペースはどのくらいか?
 ひと月分の日記は大体60キロバイトにおさまっているから、一年で720キロバイト。
 720×33年=23760キロバイト。
 およそ23メガバイトということになる。
 神様が言う。
 「健一、おぬしの余生は、23メガじゃ」
 CD一枚分にも満たないじゃないか。

 しかし、日記程度のファイル容量なら、たぶん予定通り140歳まで生きてもサーバーの容量に困ることはないだろう。
 だからそれほどあわてなくても大丈夫だ。
 問題解決。

 小泉総理の北朝鮮訪問で、拉致被害者の家族五人が帰国することになった。
 拉致被害者家族会のメンバーは厳しい批判を首相に浴びせた。
 曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんが来日できなかったり、他の行方不明者の情報を聞き出せなかったことによるものらしい。
 しかしジェンキンス氏は兵役拒否で脱走した元米兵なのだから、米のイラク政策を支持している日本に入国しようと思うわけがない。

 冷戦が終結したのは結局のところ西側世界による資本主義パワーと豊かな生活が東側の庶民にとって魅力的に映ったからだとおもう。
 北朝鮮にしても同様で、独裁という政体を崩すにはやはり他国の豊かな生活を見せるのが一番だと思う。
 そのための国交正常化だとするなら、これは十年単位で時間がかかる。

 とかく、政治家にはすぐに結果を求めるのが国民というものだが、すぐに結果を出すには戦争というカードももっていないと交渉は無理だろう。
 それなしで、海千山千の北朝鮮を、理で説いたり弁舌だけで説き伏せられると考えるのは、政治的ロマンチシズムではないだろうか。