大宮の公園

 12時起き。
 カーテンをあけると空が灰色だった。
 昨日が気持ちよい秋晴れの天気だっただけにがっかりした。

 トーストと目玉焼きを食べてから、武蔵野線を使い大宮へ行く。
 松島君映画の撮影。
 駅で糸長さんの車に乗せてもらい、公園へ。

 「西川君が偶然見つけた公園らしいっすよ」
 なぜ大宮なのかという疑問に、糸長さんはそう答えた。
 シナリオでは遊具を蹴るシーンがあり、その条件を満たした公園はそんなにないということだろうか。

 公園に着き、カメラの準備をするまでベンチで休む。
 ボランティア団体が介助の訓練をしており、それが終わるのを眺める。

 川を見つめるシーンから撮影。
 左手に包丁を持ったまま川面を眺めるのだが、包丁というものは室内で使うものだ。
 それを屋外で持つというのは、実際にやってみるとものすごい違和感があった。

 次に遊具を蹴るシーンを撮る。
 日が沈む時刻になり、西の空は驚くほど真っ赤に染まってきた。
 松島君と、カメラの佐藤さんが、
 「なんか、撮っとこうか」
 と話していた。

 日が沈んでから残りのカットを撮る。
 スーツを着ているのに寒い。
 気温は15度以下まで下がっていたかもしれない。

 7時過ぎにすべての撮影が終了した。
 公園にいたホームレスのおっちゃんが、
 「撮る方も撮られる方も大変だ」
 と声をかけてきた。
 なぜか滑舌がすごく良かった。

 糸長さんの車で小金井に送ってもらう。
 久しぶりに首都高速の美女木ジャンクションを通る。
 そこから外環自動車道へ。
 バイクに乗らなくなったため、何年も通っていない道だが、かつては何度も通った道だ。
 ついこの前通ったかのように錯覚するが、実際に過ぎ去った年月を計算し、時間感覚が混濁した。

 夜、かなり寒くなった。
 ガスファンヒーターを出そうか迷ったが、10月16日に暖房機を出すのはなにかの勝負に負けたような気がしたので、毛布を被ることで我慢した。

 日本シリーズが開幕したようだ。
 第1戦は西武の勝ち。
 中日を応援しているのだが、去年のように感情移入できない。
 ただ、シリーズの展開によっては、もっと盛り上がるかもしれない。
 第7戦までいくことが条件だが。