名もなき愛機の四年間

 朝、地震があった。
 (揺れてるなあ)
 とぼんやり思いながら天井を見つめ、巨大地震かどうかを確認する。
 巨大なものではなさそうだったのでそのまま寝る。
 8時過ぎに起きる。
 地震の折、ふとんを引っぺがしてしまったらしく、体が冷えていた。
 とても寒く、食欲までなくなっていたが、無理してご飯を食べた。

 一日中雨だった。
 桜が満開になったのは先週の火曜くらいだったが、週末には強風でだいぶ散り、今日から続く雨でまた散っていくのだろう。
 桜を楽しむ期間が今年はとても短い。

 『村上朝日堂の逆襲』読了。
 週刊朝日に連載されていたコラムをまとめたもの。
 時期は『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を上梓したあたりか。
 時代のエピソードは、『ねじまき鳥クロニクル』を彷彿させる。
 国分寺書店で本を見るという記述があった。
 椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』の国分寺書店だろうか。

 学生時代は国分寺駅を頻繁に利用していたのだが、国分寺書店という名の古本屋は見たことがない。
 南口の駅前に、今はモスバーガーとかコーヒーショップになっているあたりに古本屋が一軒あったのだけど、店の名前は国分寺書店ではなかった。

 国分寺もだいぶ変わった。
 怪しい店が少なくなったように思う。

 夜、煮豚を作った残りのタレで鶏肉を茹でる。
 捨てるのはもったいなかった。
 オスししゃもが安く売っていたので買ってみた。
 要するに、子持ちじゃないということらしい。
 確かに腹は膨らんでいなかった。
 焼いてみると、結構脂がのっていてうまかった。

 3年前に買ったCD-RWドライブを、実家のPCに移そうと思っている。
 コストの安いCD-Rばかり利用して、結局CD-RWは一度も焼かなかった。
 今はDVD-RAMドライブが動いているのだが、これも結局DVD-RAMは焼かずに終わるのだろうか?

 2001年の連休中にパソコンを作った。
 今年で丸四年になる。
 製作当初のパーツで残っているのは、マザーボードとフロッピードライブとケースとキーボードだけだ。
 こうなると人造人間みたいなものだ。

 自作機をはじめるコツは、いきなり最先端の機能を狙わず、とにかく動くマシンを一度組んでしまうことだと思う。
 初めのうちは、動いてくれるだけでマシンが愛しく思えるだろう。
 そのうち、機能に不満が出てくる。
 3Dグラフィックが遅い、ウィンドウズの操作が重い、固まりやすい、音がしょぼい。
 それに応じたパーツの拡張をしていけばいい。
 本体を丸ごと買い換えるよりはるかに安上がりだし、勉強にもなる。

 一番はじめに行ったパーツの買い換えは、CPUだった。
 800MHZのアスロンを、1.4GHZのものに換えたのだ。
 次に、CDドライブをCD-RWドライブに換え、ハードディスクを20Gから80Gにし、ビデオカードを換え、メモリを増設した。
 経験として思うのは、操作スピードを上げるならやはりメモリの増設が一番手っ取り早いということだ。
 特にウィンドウズXPは、多ければ多いほどハードディスクへのアクセス頻度が減り、その分体感速度が増す。

 CPUのアップグレードは、体感速度としてはわかりづらい。
 動画のエンコードや、その他計算を要する作業をしないとよくわからない。
 にもかかわらず、速いCPUに人はあこがれる。
 ベンチマークソフトを走らせて、その結果をプリントアウトして、
 「どうだい」
 と威張りたいのだ。

 が、今のマシンにのせているマザーボードはK7VZAというやつで、これには今以上速いCPUは載せられない。
 いっそ、マザーボードを新しいものにしようかと、パーツショップに入るたびに思う。
 64ビットのCPUに対応した新しいウィンドウズがリリースされたら考えよう。