衣装探し

 9時起床。起きるつもりはなかったが目が覚めてしまった形。
 昨夜寝たのは4時だから、週末にしては睡眠不足気味ではある。

 11月のパーマ企画公演は、明日通し稽古をする予定だ。
 12月のマグ公演の台本は半分ほど進んでいる。
 全く進んでいないとは言えない。
 が、順調という言葉を拒絶したい心理がある。
 なぜだろう?
 ひねくれ、というわけでもなさそうだ。
 違和感を感じ取っているのは確かなのだが、それを言葉にすることができないでいるのだ。

 昨日の残りの唐揚げを昼飯に食べる。
 2時半にうちを出て衣装探しのため池袋に向かう。
 キンカ堂前にて長谷部さんと待ち合わせ。

 2時20分頃到着。
 微妙に早く着いたが、キンカ堂の真ん前で待っているのはなんとなくばつが悪いため、バスの停留所や歩道をうろちょろしていた。
 「つっかもっとさーん」
 と弾んだ声が聞こえ、視線をカクカクと4回ほど動かすと、網膜が長谷部女史をとらえた。

 中に入り、2階と3階を回る。
 生地から衣装を考えつつ回ると、生地の面白さや奇抜さに惹かれてしまう自分を抑えるのに苦労する。

 399円の布で良さそうな色と柄を写真に撮り、その布でサンプルを作ることになった。
 長谷部さんは学校時代にミシンで服を作ったりすることを習い、芝居を始めてからその能力を活用することに(あるいは羽目に)なったそうだ。
 稽古までは時間があったが、そのまま巣鴨に向かい、稽古場外のベンチで話す。

 チケットを売ることについて、心打たれる話を聞く。
 「若いねえ、がんばってるねえ」
 などと、大人の余裕で答えないよう、必死にこらえた。
 そんなことを心の片隅にでも思ったりしたら、オレは演劇に関わる人間として以前に、人間として終わりだ。

 プロローグから中盤にかけて細かい稽古をする。
 明日は通しをする予定なので、それに合わせる形。
 やったことのないシーンをなくし、とにかくざっと流す。
 そんな感じでここ2週間は稽古してきた。
 明日の通しに向けての不安は、通しそのものが醸し出す不安以外にはない。

 稽古後、外に出ると雨が降っていた。
 結構な降り方だった。
 天気予報が恨めしくなる降り方。
 商店街の店先にある段ボールを傘代わりにして巣鴨駅へ。
 100円ショップで傘を買い、11時帰宅。

 サンマの塩焼き、ゴーヤの炒め物、みそ汁を食べる。
 最近、秋晴れにお目にかかっていない。
 秋雨前線のせいだろうか。

 12月公演に、一昨年ワークショップで知り合った大田君が出演することになった。
 めでたいめでたい。