落ち着きへ

 11時小屋入りのため、午前中にうちを出る。
 すっかり寒くなった道を荻窪まで歩き、電車の中でデカルトの本を読む。
 ここ2週間で10ページと進まない。
 頭に入ってこない。

 2時のマチネ。
 昨日の夜と比べるとやや持ち直したものの、まだ落ち着きのなさが残っていた。
 集中できていないというより、集中しようとするあまり焦っているような、そんな印象だった。

 松本健が見にきた。
 感想を聞く。
 難しい台本だとの意見。

 ソワレ前、舞台上で寝てみた。
 壁が迫ってくるように感じたが、寝たら寝たで心地よい。
 気がつくと作者の門さんや、数人の役者も寝ていた。

 落ち着いていきましょうと声をかけ、ソワレ前の集合を終える。
 いつものように下手最後列にて見る。

 ソワレは、役者が非常に落ち着いていた。
 役に入り込もう入り込もうというエネルギーが、相手の台詞をちゃんと聞くということに向けられていた。

 山崎と松井智美来る。
 山崎は出てきてなぜか、
 「恐かった」
 と言い、涙ぐんでいた。

 終演後、次回のマグ公演で美術協力をしてくれる松本さんと話し合い。
 オブジェのように使う柱と、ロープの使い方について1時間ほど話す。
 その後、舞台美術展の話や流山児祥さんの話をし、今回の芝居の感想もいただく。

 12時帰宅。
 レバーとチンゲンサイの炒め物を食べ、大相撲ニュースを見る。
 朝青龍は快調に勝ち進んでいる。
 野球の季節は終わり、相撲も今年最後の九州場所をやっている。
 師走の息吹を感じながら、ちびちびとビールを飲んだ。