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 安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』まとめ読みする。
 原作は一応矢立肇/富野由悠季だが、実質的には安彦良和の解釈による作品だ。
 ジャブローでシャアとセイラが再会して以降は二人の過去が語られている。
 最新刊は士官学校でシャアとガルマが出会う話が中心。
 キャスバルがなぜシャアになっていったのかが、少しずつ解き明かされていく展開は、昔からのファンにとってはたまらない。
 こういうガンダムこそ見たかったという人は、多いんじゃないかと思う。

 カニかまぼこと長ネギがあったのでチャーハンを作る。
 
 昔、高いのにまずいカニを食べたことがある。
 味がしなかった。
 醤油をつけたら、醤油の味しかしなかった。
 サラダについていたカニかまぼこの方がずっとおいしかった。

 もちろん、小樽直送のおいしい毛蟹やタラバガニを食べた時は、カニかまぼこよりずっとおいしく感じた。
 しかし安くてまずいカニに関して言えば、カニかまぼこの方が実はうまいというケースは、結構多いんじゃないかと思う。
 それがカニかまぼこだからという理由で、カニの下にランクする癖が、消費者にはついているのだ。

 寿司にサラダ巻きなんてのがあると、それにはカニかまが入っていたりする。
 値段は安い。
 が、大好きだ。
 安いのにうまいからだ。
 高いのにまずいうにや鯛よりずっと偉い。

 チャーハンと味噌汁を食べ、1時にうちを出て国分寺へ。
 途中雨が降り出したので、99円ショップでコウモリ傘を買う。
 学芸大学へ久々に行き、劇団漠の1年生公演を見る。

 お客さんが9人しかおらず、受付やスタッフキャスト合わせた部員人数の方が多いくらいだった。
 芝居は1時間ほど。
 最後に音響機材のブレーカーが飛んでしまい、音がまったくでないというハプニングがあった。

 終演後、外はかなり強い雨が降っていた。
 コウモリ傘は小さい間に合わせのものだったので、途方にくれていたら、部員の林君が客席に入れてくれた。

 若い後輩の面々がやってきては、丁寧に挨拶をしてくれるので、こちらも恐縮して、
 「塚本です。この度はどうもとんだことで」
 と挨拶する。誰か死んだみたいな挨拶だよな。

 喉を壊した磯部さんと筆談を楽しむ。
 (笑顔がかわいいね)
 とつい筆がすべるが、
 (おっしゃる意図がわかりません)
 と軽くいなされる。

 ストーブの前で40分ほど暖まり、サークル棟を後にする。
 大学近くのホームセンターに寄り、コンセントの部品を探すが、求めていたものはなかった。
 そのまま国分寺まで歩き、西荻窪へ。
 買い物をして帰宅。6時。

 野菜スープ、カレイのホイル焼きを食べる。

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 公開時に見た時にはよくわからなかった台詞や複線を、一つ一つ確認しながら見ることができた。
 やはり面白い。
 カルシファーに水をかけてしまったソフィーが泣くシーンは、彼女がそれまで抑えに抑えてきた激情が一気にほとばしるいいシーンだと思う。
 ああいう泣き方ができないから、人は苦しむのかもしれないと、逆説的に思った。
 カブの案山子が王子様に戻っても、その姿でぴょーんぴょーんとはねて帰っていくのには笑ってしまった。

 ジブリの次回作は『ゲド戦記』
 しかし今日『ハウル』を見て気づいたのは、宮崎駿はすでに『ゲド戦記』の要素を充分に吸収して、自分の作品に反映させているということだ。
 たとえば鳥の姿から戻れなくなりハウルは、ハイタカと呼ばれたゲドの姿と重なるし。
 もし宮崎駿が『ゲド戦記』を作ったとしても、いままで見たことのあるような宮崎作品にしかならないかもしれない。
 だが、息子さんが監督というのは、どういうことなのか。
 鈴木プロデューサーの差し金か。
 宮崎監督は新聞のインタビューで、口は出さない、近寄らない、見ないと言っている。
 見ない、というのはすごい。