妄想カウンセラー

　最近、昼飯を食うのが面倒で仕方ない。
　弁当を作るのは当然億劫だし、コンビニで買うもののどれにも飽きた。
　かといってその辺の店に入って、大してうまくもないメニューに1000円以上払うのはバカらしい。

　だから、朝のうちに昼の分も食べた。
　駅の富士そばでラーメンを食べ、隣の松屋で豚丼を食べた。
　そして昼は食べなかった。

　それだけ食べても午後3時には腹が空いてくる。
　しかし、そそられない。
　何が食べたいのかわからない。

　妄想のカウンセラーが登場する。
　彼に質問をするオレ。
　「僕は自分が本当に食べたいものがわからないんです」
　「あなたは、なにも食べたくないのですか？」
　「いえ、食べたくないわけじゃないんです。でも、今食べているこれは、本当に自分が食べたいものなのかと思うと、なんかちょっと違うような気がして」
　「なるほど。自分に合った本当の食べ物があるんじゃないかと思ってらっしゃるんですね」
　「そうなんです」
　「もし、自分に合った食べ物を見つけられたら、どんな気分になると思いますか？」
　「それは、嬉しいと思います」
　「見つけるためには、どんな方法があるでしょうね」
　「…やはり、色々な情報が必要でしょうね」
　「なるほど。情報を集めるわけですね？」
　「それから、店で食べるか、テイクアウトするか、それとも作るのかを決めます」
　「今まであなたは、どんな方法が多かったのですか？」
　「作るのが多かったと思います」
　「作るのが好きなんですか？」
　「いえ、作ったほうが味や量を自分好みにできますから」
　「なるほど。店のルールに縛られたくないということですね」
　「そうかもしれません。あと、お金のこともあります。作ったほうが安いですから」
　食べ物を『やりたいこと』や『仕事』に置き換えれば、よくありそうな話になる。
　気持ちはわかる。

　結局食べたいものが見つからないまま夜がきた。
　面倒なのでパンを焼き、ベーコンエッグをのせて食べた。

　山ちゃんが持ってるパソコンの型番を聞いた。
　IBMの古いTHINKPADで、ネットで調べたところ7年前の機種だ。
　ノートパソコンは拡張性が乏しいので、CPUを換装したりなどで性能アップさせることはできない。
　せいぜいハードディスクやメモリを増設するかだ。
　で、どのくらい予算を出せば使い物になるかを調べてみたのだが、1万5千円くらい出せばハードディスクとメモリをそれなりに増設できそうだった。
　が、2万と少し出せば、5年前くらいのもっといいノートパソコンがオークションで買えることにも気がついた。
　パソコンはある程度古くなると、拡張するより新しい機種に買い替えた方がずっと安上がりになる。

　そんなこんなでオークションを見ているうちに、B5ノートPCが欲しくなった。
　去年の秋から、
　（出先で台本書ける環境が欲しいなあ）
　とずっと思っていたのだ。

　B5ノートPCの知識は乏しいので、しばらくはメーカーごとにウォッチリストに登録し、落札金額の動きを追うことにした。
　IBM THINKPAD X21からX23。
　東芝 DYNABOOK SS2000。
　Panasonic Let’s Note T1。
　この辺を狙う。

　Let’s Noteが一番そそられるが、落札金額はまだ高い。
　THINKPADは拡張していなければ1万円台で落札できそうだ。
　SS2000も薄型で使いやすそう。
　NEC、富士通、ソニーは、見た目があまりそそられない。

　とりあえず1週間ほど値段の動きを監察しようと思う。