気温と体温

 週末の暑さが転じて、気温が急に下がってきた。
 一番苦手な展開だ。
 気温が急に上がる分には構わないのだけど、急に下がると身体がそれについていけない。
 寒いと感じているのに、汗は夏と変わらない。
 たとえば温かいスープを飲んだりするとてきめんだ。
 寒いなあと思いながら汗を流す不条理。
 これは、病気の時の反応と同じだ。
 水分代謝や体温と関係があるのだと思う。
 夏は、いつでも汗をかいて体温調節ができるよう、身体がある程度の水分を保持しているように思える。
 少なくとも冬よりは多いんじゃないだろうか。
 だが、キープした水分量が変わらぬまま気温が下がると、身体は水分をもてあましてしまう。
 いつでも放出可能というスタンバイ状態のまま、遠足帰りの水筒に残ったお茶のように生ぬるく体内を循環し続ける。
 腎臓との連係プレイもうまくいかないため、トイレに行く回数もまちまちだ。

 それでも今日は半袖を着ていた。
 長袖を着ると、寒いのに汗が出るからだ。

 夕方、五反田へ行き、美術の松本さんと打ち合わせ。
 9時まで、トラック積み込みや倉庫片付けを手伝う。
 夏の初めにのぞいたときはまだガランとしていた倉庫だが、すっかり現場の体裁だった。

 チラシの打ち合わせをしながら、先日取材で撮ってきた写真を数枚見せる。
 「もっと田舎のイメージがありました」
 と松本さん。
 取材の結果出てきた新しいキーワードは、<退屈>だろうか。
 11時過ぎまで話し合う。