飲んで揺られて港町

朝8時起き。
日記などを書き、11時頃に遅めの朝食。
トースト、目玉焼き、ソーセージ。

村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』読む。
文字通り<走り続けてきた>著者の、走ることの考察と記録だ。
1時間半ほどで読み終わった。
テーマが走ることだったので、自分にとっては取っつきやすかった。
それにもちろん読みやすく、考察も記録も面白かった。
マラソン入門書ではないから、フォームや練習方法やペース配分の参考にはならない。
しかしこれを読んで走り始める人は多いかもしれない。

夕方5時に家を出て池袋へ。
少し時間をつぶし、7時にFEVER DRAGON NEOの忘年会にお邪魔する。
店の近くの路上で小田さんに会う。
「おれ、池袋好きなんだよ」
と、ポケットに手を入れて小田さんは微笑んだ。

出演者でもスタッフでもないのにお呼ばれして、嬉しい限りである。
出演者の方々に、おぼろげに顔まで覚えてもらったのも、嬉しい限りである。

貴代さんの隣に坐る。
「あいかわらず良い男で」
と滅多なことを言われ、
(ああ、この言葉はお歳暮だな)
とありがたく感じ、お礼を言う。

一石君がぽつねんと坐っていたので声をかける。
つい最近、客演した公演が終わったらしい。
全然知らなかったと言うと、
「DMやメールが直前になってしまったので、目上の方にはあえて送らなかったんです」
とのこと。
大変な公演だったらしく、色々なエピソードを聞く。

9時に1次会は終了。
なっつや樹さんは幹事をやり、店員の態度の悪さにストレスをためていた。
楽しく飲めたのはとても救いだったと思う。

その店でそのまま二次会が始まる。
佐藤ノブくんや山本さんが途中抜けをしたので、便乗していったん店を抜ける。
西日暮里のやなぎやへ。

蜂須賀さんのお姉さん夫婦が経営している店で、きれいなこぢんまりとした居酒屋だった。
知人が10名ほど来ていた。
丁度帰るところだった本山君と挨拶し、びん太さんのテーブルに坐る。
隣には真理菜ちゃんがいた。

12時過ぎまで飲む。
腹はいっぱいだったので、飲むだけにした。

店がはね、このまま皆で二次会に行くのかよくわからないまま駅に向かう。
FEVER DRAGONの朝まで宴会に戻る心づもりではあったが、トシさん、カオリさん、今日平くんがまだ飲みにいく気配だったので、便乗してついて行く。
その4人で飲む機会はそうそうないと思われたからだ。

『和民』で飲む。
すでにアルコールはじゅうぶん摂取していたので、色々な話をした。
トシさんの演技は<ご飯>のようだという話をする。
同じおかずは毎日だと飽きるが、ご飯は毎日食べる。

今日平君は所属先が複数あるのだが、どこで褒められるのが一番嬉しいかという話を聞いた。
それに付随する苦労などもちらほら聞けた。

みんな色々考え、悩んでいるのだと、改めて思った。
そしてみんな、悩みを人前にさらけ出さないよう、戦っているのだ。
さらけ出すのは、みっともない。
ギブ・アップに似ている。
時々はいいけれども、いずれは一人でなんとかしなければいけない。
たとえば俺がこのブログで、

悩んでる苦しんでる
悲しいきつい

と書いても、
「じゃあやめれば?」
ってなもんだろう。

来年も再来年も、さらけ出さない自分でいたいと、年の瀬に思う。
その流れに持ってこられた意味で、とても刺激になる飲みだった。
勝手に刺激としている部分もあるけれども。

朝5時に始発で別れる。
さすがに足下がふらふらだった。
電車の椅子に座った瞬間、世界が暗転した。

暗転時間は長かった。
起きた時、そこが<港町・横浜>だったことに驚いた。
時計を見て、9時半だったことに驚いた。
4時間半揺られていたようだ。
なんて隙の多い年末だ。

このパターンで俺は、11年前の年末に、井の頭線で財布をすられている。

自分にビンタしながら西荻に帰る。
11時半だった。
シャワーを浴びて、寝た。