『模倣犯』読了

『模倣犯』読了。
思ったより時間がかかった。

読後感は良いとは言えない。
もやもやが残っている。
反面、精緻なストーリーテリングを堪能できたことによる満足感もある。

疑問点はたくさんある。
場面によって有馬義男が能弁になること。
同時に頭脳が明晰になること。
高井家のその後がまったく語られないこと。
同じくピースの親子関係がまったく語られなかったこと。
栗橋薬局の夫婦の行方。

全5巻中、1巻から5巻途中まで、犯人は思いのままに跋扈する。
人間性のイヤらしさも、それだけ長く続けて読むと、いい加減飽きる。

読者にページをめくらせる力に、復讐心があると思う。
いつ、このろくでなしの犯人が捕まるのか、それだけを楽しみに読み進む感覚だ。

ただ代償として、脳内には復讐の凄惨な空想が浮かんでは消える。
非常にストレスがたまる。
精神衛生上にも良くない。

過去に読んだ物語の中で、もっとも適切な復讐(あるいは罰)の方法は、手塚治虫の『火の鳥・異形編』の因果応報ではないかと思う。
時間をさかのぼり、自分の殺した相手になってしまうという罰だ。

ぐったりした気分で夕方帰宅。
8時からジョギング。
環八を北上し、和光市まで往復。
川越街道の交差点に横断歩道がなかったため、そこから引き返す。
股ずれがひどく、真っ赤になってしまった。