歯医者爆弾

少し前に前歯の裏にある詰め物がとれた。
ギザギザ部分が常に舌に当たっている状態になり、甚だ具合が悪かった。
ネットで歯医者をセレクトし、水道橋にある某歯科医に予約をしたのが先週。
本日夕方初診。

歯医者に行くのはおよそ4年振りだ。
若い頃に比べて砂糖の入ったソフトドリンクを飲む回数が激減したので、虫歯に悩まされることのない4年間だった。
むしろこれからは、歯周病のケアを怠らないようにしなければいけない。
ポケットの中身をチェックする時は、歯周ポケットのチェックも忘れずに、だ。

「だ」
と心の中でつぶやくのと同じタイミングで名前を呼ばれた。
なにに使うのかわからない治療器具が並んでいる。
アンドロイドでも作るのかと思うくらい精巧に見えた。

歯のクリーニングと、レントゲン撮影をした。

「歯槽膿漏の疑いがあります」

とのっけから医者は爆弾発言をかましてきた。

「リンゴを食べる時、歯茎から血が出ることは?」
「あ、ありません」
「歯茎がうずくことは?」
「な、ないッス」
「前歯の上の歯が少しぐらついてます」
「そ、そうッスか」
「レントゲンで調べてみましょう」
「よ、よろしくお願いしますッス」

といわけでレントゲン撮影。
爆弾医者は写真を見せて言った。

「歯周を見る限り、どうやら歯槽膿漏ではないですね」

良かった。

「寝ている時に歯ぎしりをすると、他人から言われたことは?」
「ないッス」
「ふーむ。どうやら、噛み合わせか、それとも何らかの要因で、前歯の上の歯に常に弱い力が加わっているようですね。それで歯が少しぐらついているんです」

詰め物処理をした後、マウスピースなど使って見ましょうと医者は言った。

爆弾医者は俺以外にも爆撃対象があり、たいそう忙しくしていた。
会計をしようにも、治療内容を入力できないほどだった。
受付のトランジスタグラマーな女子が、

「次回の治療の際、本日分も一緒にお会計するということでよろしいでしょうか?」

と聞いてきた。
トランジスタは大好きだし、グラマーも好きなので、

「応」

と男らしく答え、病院を出た。

武蔵家でラーメンとライスを食べ、9時過ぎ帰宅。
次回の治療は12日だ。
間が空きすぎなのが気になるが、悪くない雰囲気だったので、待つとしよう。