『大江戸りびんぐでっど』観る

9時過ぎ起き。
寝ぼけ眼で駅まで歩き、地下鉄で銀座。
歌舞伎座に10時半頃到着。
歌舞伎座さよなら公演十二月大歌舞伎昼の部観る。

打ち上げ明けで3時間睡眠だったので、初めのうちは寝てしまうだろうと思っていたが、
一本目の『操り三番叟』が面白く、見入ってしまった。
勘太郎の、空中を漂うような動きが素晴らしかった。
肉体が、動くことを喜んでいるようで、二十代ならではの良さだろうか。

『野崎村』では少し落ちた。
徹夜明けの悲恋ものゆえ仕方ない。

休憩中、歌舞伎座の食堂でカレーライス食べる。
オリエンタルカレーの人形が置いてあった。
おそらく『ちびくろサンボ』と同じ理由で、今ではなかなか見ることができない人形。
しかし古い。
昭和30年代のカレーだ。
子供の頃、オリエンタルカレーを店頭で見たことはなかった。
我々世代の<家族のカレー>は、ハウスバーモントカレーだった。
歌舞伎座の食堂がオリエンタルカレーを使用しているかどうかはわからず。
だが、とても懐かしい味だった。

隣のテーブルに、小学生くらいの男の子と母親が座っていた。
男の子のしゃべり方がかわいらしかった。

『身替座禅』は面白かった。
勘三郎のバカ殿芝居が、ただただおかしい。
稚気と愛嬌に笑いが止まらず。

目当ての『大江戸りびんぐでっど』
冒頭「くさや」の着ぐるみの染五郎と亀蔵が天日に干されていて、「寒いよー」「臭いよー」とうめいているのがおかしかった。
宮藤官九郎が歌舞伎に挑戦というよりは、勘三郎さんが小劇場パワーを歌舞伎に導入といった趣で、台本の作りはいつものクドカン芝居といった感じ。
賛否両論あろうが、歌舞伎のスタイルに迎合するよりは、しょうもなさや若者目線の下ネタが散りばめられる、いつものクドカンスタイルを崩さなかった点は間違ってないと思う。
楽しみ方は、そうした台本を歌舞伎役者達がどう演じるのかを見ることだろう。

ゾンビの群れが本気で踊るシーンがあり、役者がトンボを切る形の美しさに参った。
踊りが終わった後で一人残った勘太郎が延々とマイケルの真似を続ける悪のり演出があったが、振り付けをかなり忠実にコピーしていたのと、異常なほどの切れの良さに参った。
あと七之助の声が良かった。

終演後、プロントでコーヒーを飲み余韻に浸り、地下鉄で荻窪へ。
西友で買い物をして帰宅。

夜、生牡蠣を食べる。
先週からずっと食べたかったが、本番の週なので生ものは我慢していた。
アーリータイムスをソーダで割って飲む。