得体の知れない眠気が続く

朝、オクラ納豆と「だし」でご飯。
夏バテ対策メニューみたいだ。

「だし」といえば、以前魚柄仁之助さんが朝日新聞に連載していた「食べちゃる」に、似たレシピが載っていた。
それも、夏野菜を水洗いして細かく刻み、納豆昆布とお酢で漬け込むものだった。
2001年の夏だったか。

魚柄さんの本に一時期かなり影響を受け、鰹節を毎回削っていた。
最近、というかここ6年くらい、鰹節を削っていない。
鰹節そのもので出汁をとることもしていない。
顆粒のだし調味料で済ませている。

なにか儀式的な意味合いがあるならともかく、日常生活における食事でわざわざ鰹節を削って出汁をとるなんて、はっきり言って不可能だ。
一年365日の全ての平日の朝7時に起きて、それをやれるか。

やれる人はいるんだろうけど、そういう人は、鰹節を削って出汁をとるということが、自分を成り立たせるために必要なことだからそうしているのだと思う。
俺は、398円の鰹節パックでも十分だし、ほんだしでも十分だし、みそ汁なら出汁入りでも十分だ。
365日かける数十年、続けていくことを思えば、白湯に味噌溶かすだけでないだけ、ましだ。

昼、「やすべえ」でつけ麺。

午後、得体の知れない眠気が続く。
何かの拍子に落ちる。
一人芝居の後遺症だろうか。
車やバイクを日常的に運転する境遇ではないのがありがたい。
信号で止まっている間、寝落ちする類の眠気だからだ。

暑さはここ数日、ずっと変わらず。
梅雨もそろそろ明けるだろう。

夜、朝と同じメニューで夕食。
普通の浅漬けと「だし」が違う点は、野菜を細かく刻むところと、納豆昆布を使うところか。
自分で仕込むときは、とろろ昆布で代用しているのだが、ねばねば感が加わるという点では同じだ。

魚柄さんは、夏バテで食欲のない人に向けて、「だし」のレシピを紹介していた。
肝は、ねばねば感にあったのではないか?

オクラ、モロヘイヤ、山芋、もずく、納豆昆布、納豆、なめこ、その他ねばねが食材は色々ある。
そのどれもが、夏の暑い時においしく感じられる食べ物だ。

ねばねばした食材は夏バテに効果があるのか?

「僕、ねばねば系の食べ物、苦手なんです」

と、後輩が言うのを聞いたことがある。
そういえば彼は、見た目がなんだか胃弱っぽく、夏は慢性的に夏バテにかかっていそうであったが。

そういえば自分は、深刻な夏バテをしたことがない。
ハタチの時、色々あって、

「おれ、しばらくカロリーメイトしか食わない」

と宣言した時、めまいと吐き気に襲われたのが、唯一のそれっぽい体験だ。
牛乳500ミリリットルを飲んだら治ってしまった。

この夏は、冷たいご飯の研究をしよう。
冷や汁のレシピに、ヒントが隠されているような気がする。
具材を変えれば、色々できそうだ。