Perfume JPNツアー さいたまアリーナ二日目

10時起き。きつねうどんを作って食べる。
午前中走れたら走ろうと思っていたが、走れない可能性の方が高いだろうとも思っていた。
実際その通りになった。
足が重かった。
ネットでPerfumeライブの情報を見ながら昼まで過ごす。

12時過ぎ、トーストを食べて外に出う。
途中、イオンリカーでビールを2缶買う。
昨年オープンした店だが、繁盛しているように見えない。
中央線と環八が交差するそばにあり、人通りは少ない。
駅の近くで買い物を済ませた人が、買い物袋を抱えてこのあたりまで歩いてきた頃には、頭の中は家に帰ることで一杯になっている。
興味はあるけどまた今度という感じで通り過ぎて行く。
好きな店なのだが、長くは続かないんじゃないかと思う。

新宿から埼京線に乗り、大宮方面に向かう。
さいたまスーパーアリーナの最寄り駅はさいたま新都心駅だが、混みそうだったので少し離れた北与野で降りる。
駅は空いていた。
近くの公園に座ってビールを飲む。
ライブ前に景気をつけるつもりだった。
公園には誰もおらず、池は氷が張っていた。
景気をつけるつもりが、寒くてじっとしていられず、缶を持って公園の中をうろうろした。
飲み終わってから北与野駅に戻り、空き缶を捨て、さいたまスーパーアリーナに通じる道を歩く。
アルコールがゆっくりと回ってきた。
ライブへの期待感と相まって、気分も高揚してきた。

アリーナのエントランス近くには人だかりができていた。
Perfumeコスプレの女の子達と、それを撮るファン達だった。
撮る方も撮られる方も、寒そうに足踏みしていた。

400レベル入り口から会場内に入る。
席は舞台やや上手寄りで、ステージからは遠く離れていたが、全体を見渡すことができた。
右隣の席はロープが張られ、二列ほど空席になっていた。
右斜め前にカメラがあったから、撮影者の見切れラインかもしれない。
左隣の席も客が来ず、空席のままだった。
他の席はぎっしり埋まっているのに、自分の席だけは両隣が空席という状況だった。
広い席というわけじゃないので、これはありがたかった。

手拍子が高まる中、Perfume JPNツアーさいたまアリーナ公演が始まった。
遙か彼方のステージに立つ三人は豆粒のように小さく、モニターも遠すぎてよく見えなかった。
オペラグラスを持ってくるのだったと後悔する。
オープニングから4曲、立て続けにガツンとくる感じで始まったのだが、周りにいる人々はあまりジャンプもせず、控えめな感じで身体を揺らしていた。

最初のMC。
PerfumeのMCは長いことで有名になりつつあるが、着地点のわからない喋りはラジオのトークを聞いているようで、中だるみする感じはなかった。
中田さんコスプレ、「スパイス」PVの窓コスプレの人などがいじられていた。

セットリストはアルバム『JPN』の曲と過去のシングル曲が中心だった。
ライブ初披露の曲になると、観客の手拍子が目立った。
昨日のライブに来た人がネットに書いた意見によると、初めて来た人が多かったのではないかとのことだった。
それもあるだろう。
一昨年から去年にかけてリリースされた曲はライブで披露される機会が少なく、オタ芸が開発されなかったことも理由になるかもしれない。
ファン層の著しい変化が、オタ芸を生み出す土壌をなくしつつあるともいえる。
とすれば、P.T.Aのコーナーは、オタ芸の減少を埋め合わせるものになっているのかもしれない。

生歌の曲がいくつかあった。
歌がうまく聞こえるような歌い方ではなく、表現しようとする「力み」みたいなものを抜いて歌わないといけないので、もしかするとうまく歌う以上に難しいかもしれない。
それでも、ドーム公演の生歌にくらべて、表現が形をなしつつあるように思えた。

「My Color」を歌う前のMCがとても良かった。
この曲はスマートフォンの歌というだけではなくて、手のひらでみんなとつながることを歌った歌なのだと、身体を通して実感する事ができた。
文句なしの演出だった。

「My Color」が終わり、三人がバックステージに引っ込む。
客席からアンコールを求める拍手が鳴り響く。
しばらくすると、アリーナ上手後方から悲鳴のような絶叫が聞こえた。
客席の通路をPerfumeが歩いてきて、そのままアリーナ後方に作られた小さいステージに立ったのだった。
それまでメインステージから一番遠かったお客さん達が、今度は間近で三人を見られるという趣向だ。
演出効果ではなく、見に来てくれたお客さんに何かを還元しようとする三人の姿勢と、それを意気に感じ実現するスタッフに心打たれた。

終演後、心地よい余韻に浸りながら、北与野に向かって歩く。
ものすごく寒くて、ダウンジャケットのボタンを首のところまで留めて歩いた。

駅はそれほど混んでいなかったが、コンサートのパンフレットやグッズを持った人達がそこかしこにいた。
上気した顔で白い息を吐く若い女の子二人連れがいた。
五十代半ばくらいの男性がリバーシブルバッグを肩から下げ、ツアーパンフを読んでいた。
楽しいライブだった。

8時過ぎ帰宅。
昨日のランニングと今日のライブで、腿がパンパンに張っていた。
JPNツアーの追加公演が昨日決まった。
5月に武道館。
4日連続でやるという。
当然、エントリーするつもりだが、抽選に当たるかどうかあまり自信がない。
武道館で4日やっても、昨日と今日のさいたまスーパーアリーナの集客数より少ないのだ。
昨日も今日も客席が満席だったことを思えば、チケット争奪戦は熾烈を極めるだろう。
ツアーの総決算という意味合いもあるし。

ともあれ、永久にライブが出来るパフォーマーがいるはずはない。
最高の時というのは、過ぎ去って振り返ることで、相対的に測ることが出来たりもする。
とにかく、Perfumeのライブには、可能な限り通った方がいいと、今日のライブを見て強く思った。