ゆっくりと、チームを作っていく

朝10時半まで本書きを続ける。
一つは完成。
半分弱書いたものが二つ。
それらを印刷してからシャワーを浴びる。
新しいプリンターを買わないといけない。
今のでは印刷速度に若干不満を覚える。

12時から仕事。
昼出勤だったので、太陽の日差しをモロに浴び、うんざするほど暑かった。
夕方まで順調に仕事。
定時に退社。

6時過ぎにいったん帰宅し、台本の残りを印刷する。
6時半に稽古場へ。
芹川、先に来ていた。

今日からマグネシウム不足の稽古が始まるのだが、出演者全員ではなく、塚本、芹川、知恵の三人のみ参加。

芹川は一昨年、尾鷲さんは昨年、マグのメンバーになった。
今回は、新しい三人で作る、初めての芝居になる。
サイトに、所属メンバーのコンテンツを、今回の公演から載せるつもりだ。

なぜ今日は三人だけで稽古をしたのかというと、我々にはまだ、息がないからだ。
「息の合った芝居」
を目指す以前に、息がないのだ。
芹川も知恵も、これまでマグに出た時は、演出の塚本と関わることはあったが、役者として絡むということはほとんどなかった。

自分が知り合ったのは知恵の方が少しだけ古く、2008年1月の宇宙キャンパス公演。
その時は、絡みがゼロだった。
3ヶ月後の4月に、シノハラステージング公演で芹川と知り合った。
絡みは、なくはなかったが、あまり多くなかった。

その後二人は、2008年10月にやったマグ公演の『1:1』に客演し、その後もいくつかの舞台に出てもらってきた。

芹川とはよそのカンパニーで共演したことがなく、マグの芝居でも台詞でやりとりしたことはまったくない。

知恵も、昨年6月にやった『六月の魔女』で、ほんの少しだけ台詞のやりとりをしたが、他はゼロ。
今年の3月に、ゲキダンエンゲキブで共演したが、その時も台詞の絡みがまったくなかった。

要するに、三人が台詞のやりとりをすると一体どうなるのか、まったく計算が出来ない状態なのだ。

そこで、今日と次回の稽古は、三人だけでなるべく多くの台詞をを稽古しようと思った。
演目とキャストを決めやすくするという目的もあった。

7時前に知恵が到着したので、台本を渡し、読み合わせをしてみる。
芹川と知恵のコンビに、部屋探しをするカップルの話と、お化けに怯えるカップルの話を読んでもらう。
前者の方が芝居は生っぽくなり、後者の方が大げさっぽくなった。
「最初の方をやりたいですね」
二人ともそういったので、まずは演目とキャストが一つ決定した。

次に、知恵tと俺で、鼻歌にまつわる話を読んでみた。
知恵の役をあて書きっぽくしているところがあったのだが、案外思うとおりにはいかなかった。
だが、思うとおりにいかない部分こそ、息を作るために角を削って、丸くしないといけないところなんじゃないかと思う。

それから、来年上演を予定している『暮れなずめ街』のワンシーンを三人で読んだ。
知恵がメインのシーン。
こういう芝居をやるのだということを、二人に伝える目的もあったが、ただ単に、いっぱい読み合わせがしたかった。

9時半過ぎに稽古終了。
三人で稽古初日と、知恵の公演終了ねぎらい飲み。
芹川、最近は読書と映画鑑賞の日々だという。
マグ不足が終わったら、客演したらどうかと聞くと、
「終わったらまた引きこもって本読みたい」
とのことだった。
そういう時期はある。

知恵とは、小中学生の頃の話をする。
話を聞いたり、話したりしながら、
(そうだそうだ、俺、あのときそうだった)
と、改めて思い出す経験をした。

たぶんそうやって、ゆっくり話していくことで、息というものは作られていくんだろう。
きっと焦っちゃいけないのだ。
ささやかなチームだが、これを核にして、徐々に大きく、強く、しっかりしたつながりを広げたい。
地味に。じわりと。