7時起き。
早めに朝食バイキングへ。
昨日とほぼ同じものを選んで食べた。
チェックアウト前に、もう一度温泉とサウナに入る。
10時丁度にチェックアウト。
バスで甲府駅へ。
11時過ぎに仲澤さん達と待ち合わせていたので、それまで南口をうろつく。
電車の到着時刻前に改札前へ。
エクランのショーウィンドー越しに、盗撮風の写真を撮ってやろうと待ちかまえていると、別の改札から出てきた綾香に、真横から声をかけられた。
「何してるんですか?」
完全に裏をかかれた。
源義経の奇襲に蹂躙される、一ノ谷の平家みたいな案配だった。
「夢民」という喫茶店に行く。
レトロなお店で、「喫茶店のスパゲティ」という感じのスパゲティが幾種類もあった。
ナポリタンを頼む。
昨日の「楽」はかなり本格的な味だったが、こういうのも好きだ。
食べながら、二日間の話を一方的に喋る。
仲澤さんや綾香と話す時は、なかなか聞き役になれない。
こちらが黙ると向こうも黙ったままで、沈黙が続いてしまう。
それで、話の接ぎ穂を求めて、自分のことを喋り出すのだが、どういうわけか止まらなくなってしまうことが多い。
でも、お正月の過ごし方や、その他世間話をいくつかして、年の最後の挨拶も出来たので、いい時間だったんじゃないだろうか。
1時に駅で別れる。
特急あずさで東京方面へ。
空いているだろうと自由席にしたら、席がほとんど埋まっていた。
ふて腐れて、ドアの空きスペースにしゃがんでいたら、車掌さんにあいている席を案内された。
おばちゃんの隣に座る。
「ゴッホ 燃え上がる色彩」読む。
とても辛い人生に思える。
ボタンの掛け違いと、本人の気質のかけ算が、大きな負の値を生み出したようだ。
立川で中央線快速に乗り換える。
3時過ぎに帰宅。
荷物を整理し、小休止。
5時半にパソコンやその他印刷物を鞄に入れ、再び家を出る。
7時前に実家へ。
2年ぶりの実家年越し。
「あんた、そばアレルギーだから、刺身にしたわよ」
と母に言われ、がっかりする。
うどんを自分で買っていこうか迷っていたのだ。
そうめんの乾麺があったので、かけつゆを作り、温麺にして食べた。
うどんよりもゆであがるのが早い。
紅白歌合戦を見る。
事前になんの情報も仕入れていなかったので、矢沢永吉が出場することを知り、俄然テンションがあがった。
それさえ見られればいいという気持ちだった。
前半は、ゆるくてぐだぐだした感じの歌が続く。
館ひろしが「嵐を呼ぶ男」を歌い、やっと「ショー」になったなと思った。
格好良かった。
前半は他に心惹かれるステージはなし。
後半、郷ひろみのステージに感銘を受ける。
「ヒロミ・ゴーを見せる!」
という、ステージにかける熱情の高さが、明らかに他の歌手と違っていた。
徳永英明が「上を向いて歩こう」を歌ったが、歌詞がいいなあとしみじみ思った。
簡単な言葉を組み合わせて、誰もが経験したことのある哀しい気持ちを、50年経った今でもリアルに感じさせる。
メロディも、本当に好きだ。
由紀さおり「夜明けのスキャット」は、バンドとの息の合い方が良かった。
ももクロは、インパクトを残したと思う。
芹川が言っていたが、確かに応援したい気持ちにさせるものが、そのパフォーマンスにあった。
Perfumeは、いつも通りの紅白といった感じ。
カメラが引いていたのと、照明が暗かったのとで、あ〜ちゃんが途中でミスして転んだように見えていた。
きゃりーぱみゅぱみゅは、歌がどうこうより、「ご挨拶」的なステージだった。
「結局、この子は、歌手なの?」
と実家に帰った娘や息子に聞く親が、全国数十万人はいただろう。
氷川きよしと坂本冬美の流れが、一番「歌合戦」らしかった。
どちらも歌声が円熟の境地にあり、曲ではなく歌の実力勝負という雰囲気があって良かった。
美輪明宏「ヨイトマケの唄」
「土方」という言葉の削除なしに歌い上げた。
この言葉を、紅白という舞台で歌わせた判断は、NHKに敬意を表したい。
たぶん、紅白クラスの視聴率番組で披露するのは初めてのことだったろう。
圧巻。
隣で見ていた父が、涙腺決壊状態で、しきりにティッシュを目に当てていた。
この次に歌ったのが和田アキ子だったが、歌声の衰えは隠せなかった。
気合い十分だったのだが。
矢沢永吉。
さすがのステージング。
自分の前に誰がどんなパフォーマンスをしようと、武道館と変わらぬクオリティで、知る人の少ない曲を、パワー全開で歌い上げた。
声がホントに素晴らしかった。
紅白じゃなかったら、客席総立ちがふさわしい。
ある意味、もったいないと思った。
期間限定で再結成したプリンセス プリンセスが「Diamonds」を歌った。
懐かしさよりも、メロディと歌詞のキャッチーなところに驚いた。
ガールズポップの王道だ。
あとはほとんど、惰性で最後まで見た。
石川さゆりが、また天城を越えていた。
自分の部屋に戻り、鞄の中身を整理していると、いつの間にか年が明けていた。