雪の日

予報の通り深夜から雪が降り始め、午前中は反射する光の明るさで目が覚めた。
土日は走り込みの日だが今日は無理と確定した。
積もる前に買い物に行く。

近所のまいばすけっとで昼飯を買い、家で食べる。
住宅地の狭い道路は車や人が通らないためか、12時を過ぎた時点ですでに10センチ以上積もっていた。

家に帰り食事をし、ふと屋上に上がってみることを思いついた。
厚着をし、狭い階段を登り、四つん這いにならないとくぐれない窓から屋上に出る。
一面銀世界だった。

雪は、粒子が細かく、雪だるまを作ろうと思ってもまとまらなかった。
寒い地方に降るタイプの雪だ。
屋上の床面は雪によって異様なほど滑りやすくなっており、3回も転んだ。

部屋に戻る。
雪は夕方を過ぎてもまだ降り止まなかった。

夕食を買うためにまいばすけっとへ。
昼よりもさらに雪は深く積もっていた。
停まっている車のタイヤが見えなくなるほどだった。

こういう時、本能的に人は食料を買いあさるようで、まいばすけっとは品薄だった。

夜になってもまだ雪は降り続いていた。
自分の知る限りでは、過去最高の積もり方だ。

12時を過ぎた頃、雪でしんとしている外を歩いてみたい誘惑に駆られた。
上着のフードをかぶり、外に出てみると、降り方はかなり弱くなっていた。
マンションの駐輪場は半地下になっているが、スロープに雪が積もり、踏み出したらそのまま滑り落ちそうだった。

雪かきのつもりで入り口階段あたりの雪を手でのけると、昼とは雪の質が変わっていた。
雪玉を作りやすい、湿気を帯びた雪だった。
階段から玉を転がし、マンション前の道路をごろごろ転がしていくと、あっという間に直径1メートル以上の雪玉になった。
一つ作ると楽しくなってきて、少し小さい雪玉を作って上にのせた。
雪だるまになった。
作ったのは中学生の時以来だ。

同じ調子で、直径1メートルクラスの雪だるまを三体作り、マンション前に並べた。
雪はもうやんでいたが、息が荒くなるほど疲れていた。

部屋に戻り、手足を温める。
不思議と冷えてなかったのは、ずっと運動をしていたからだろう。

そして、はやくも溶けた雪がしずくとなって地面に落ちる音が外から聞こえてきた。
深夜だった。
明日は走れるだろうか。
焼酎をお湯で割って飲み、寝た。