それしかできない、という感じ

朝飯を食べずに仕事。
暑くなってきたからだ。

昼、弁当も作らなかったので、どこでご飯を食べるかはっきり決めずに、ゴーゴーカレーのあたりを歩く。
何気なく台湾料理の店を除くと、店員と目が合い、にっこり笑顔で「どうぞー」と言われてしまった。
タイミングが良すぎたので中に入り、無難な唐揚げ定食を頼む。
味も量も値段も無難だった。

椎名誠『続大きな約束』読了。
前作の続き。
息子の岳が十数年ぶりに日本に帰ってきて、生活をするという。
思春期の息子が『岳物語』を床に叩きつけ、こういうものを書くなと怒鳴った過去がフラッシュバックする。

その後椎名さんは確かに、そういうものは書かなかった。
岳はやがて成長し、渡米して結婚し、父親になった。
そして、かつての「おとう」が自分を題材に小説を書いたことを赦した。
いや、赦したのかどうかはわからないが、すくなくとも作品の存在は認めた。

シーナはじいじになり、息子は父親になった。
じいじは孫と約束をした。
日本に来たらその約束を果たす。
シーナは、そういうことを書かないことで、約束を果たしてきた。
今、そういうことを書いているのは、書いても良くなったからだと思う。

約束が果たされ、そしてまだ果たされぬ約束が、アメリカからやってくる、その直前で小説は終わっている。
この先は書かない約束だったのだろうか。

いい話だった。
椎名誠の生き方や言動がすべて正しいとは決して思わないけど、少なくとも自分に訪れた人生と不器用に格闘することは、続けていると思う。
それしかできない、という感じが、好きだ。

夕方、コナミへ。
筋トレからプールまでいつも通り。

都議会の、塩村議員への野次事件で、野次を飛ばした人物が名乗り出た。
鈴木議員。
自民党への影響を考慮した、党による粛正のようなものだろう。
詰め腹を切らされただけにしか思えない。
いっそ塩村議員は、
「決して名乗り出ないでください」
と言い切った方が良かった。

塩村議員本人ではなく、彼女の発言内容が侮辱されたのが問題だ。
人が侮辱された、というふうにとると、どんどんずれていく。