わからないわかり方

寝る前に寝転んだ姿勢のまま「ジャストブリード」をやっていたら、右肩が痛くなった。
バカみたいだ。
逃避の一種だろう。
卒業論文の締め切り前にドラクエを1から5まで連続でクリアしたことがあったが、あれも逃避だ。
ゲームの世界に逃げたかったのだろうか。
すると今回の芝居に通ずるものがある。

なんていう理屈をつけると、ゲームをやる大義名分を得たみたいだが。

昼、天むすと唐揚げ串食べる。

夕方、四宮にて稽古。
今日は稽古場が遠いため台本印刷はなし。
遠いといっても自転車で行ける距離なので、他の出演者達に比べれば十分近い。
うちから近いところばかりで申し訳ない反面、台本印刷時間が取れるので、その分完成は早くなるはずだ。

エレベーター場面の優先順位を決める。
1 掛け合い
2 セリフの正確さ
3 反応と空気感
4 動きと間合い

場面の終わりから去るまでのスピード感を出して、次につなげる。

エリカと富雄が美奈代部屋に入る時、エレベーターのドアを開けるパントマイムをする。
黙ってるのではなく会話をしてもらった。
何度か繰り返して、会話が固まった頃に、再び無言でやってもらい、音楽を流そうと思う。

美奈代が富雄の腕をピーラーで削る時、勢いと同時に確実性が欲しい。
ある一点を正確に剥く感じになると、逆に恐ろしい。
ささくれを剥くような。

「僕が悪かった!」
という富雄の台詞に勢いがついてきた。
そのまま勢いがつけば、いい土下座ができるんじゃないだろうか。

時の経つのを忘れて潮干狩りに興じた「潮干狩くん」に対するエリカのひと言。
「忘れすぎてしまったのかもしれないな」
入り方が難しい。
間髪入れずに入りたいが、鋭く入るのは違う。

ゆずの、「これは夢なんだから」の去り方にためらいがある。
百合子ちゃん自身の戸惑いだろう。
その場面を稽古しないと。

ひっぱたき、無理なら無理しないで

稽古の途中でひと言いう。

「芝居はまだ混迷の状況にありますが、相手に対して「あそここうしてくれないと自分はこうできない」という不満を出さないようにいきましょう」

今の段階でそれをやり始めたら収集がつかなくなる。

出演者全員がそろったので、色々な場面を稽古でさらうことができた。
やってみることで、できていない部分が明らかになる。

わかる=説明出来る、という公式は、すべてに当てはまるものではないと思う。
説明とは、ほとんどの場合言葉を介するが、言葉を介した瞬間、本質を見失う物事はとてもたくさんある。
ではそうした物事は、わからないことなのか?
違うと思う。
わかる<>説明出来ない、という公式もあると考えれば、説明出来なくてもわかりうるのだという認識に立てる。

もっともそれが、論理的に説明できない言い訳になってしまうと、ダメなのだけど。