8時起き。
9時過ぎ、四谷三丁目へ。
昨日借りた三脚とカメラを返却する。
10時に劇場入り。
最前列の椅子をまっすぐな一本の直線に並べ、そのラインと平行を維持するように後ろの座席も並べ直す。
席と席の間隔は握りこぶし一つ分の等間隔にする。
後ろの席に段を1段増やす。
およそ1時間ほど平台と格闘し、販売分の座席と補助席が確保できた。
かなり見やすくなったと思う。
見やすくするために席の並びを湾曲させたのがそもそもの間違いだった。
平台を並べている時に、劇場の三脚を見つけた。
それがあるなら、レンタル店で借りてくることはなかった。
カメラは軽かったが三脚はとても重く、昨日と今日持ち運ぶのに苦労したのだ。
昨日のソワレで、上岡君の蹴りを食らった時に、右足のサンダルの留め具がちぎれてしまった。
昼前、サンロードへ行き新しいものを買う。
12時から準備開始。
1時半開場。
カウンター内部での開演待ちにも慣れてきた。
満席だったが滞りなく開演。
上手フリースペースの芝居が、昨日よりもセンター寄りになった。
座席の位置が自然にそうさせ、お客さんが首を左右に振る角度も小さくなった。
娘の写真を見せる場面で、スマホを操作した知恵ちゃん、間違えてシャッターを押した。
舞台にシャッター音が鳴り響いた。
上岡君に蹴られる場面で、サンダルの留め具が壊れた。
昨日と同じ箇所だった。
それ以外はトラブルなく終了。
客席を修正したことだし、あと5ステージくらいやりたかったが、残りはあと1ステだ。
昨日よりも夜の開演時間が早かったので、休憩は45分。
その間に、差し入れのおやつをいただく。
洋なしのケーキと、シナボン。
シナボンは初めて食べた。
後頭部がしびれるほど甘かった。
珈琲無しでは食べられない。
マチネに来てくれた一石君にスポーツ新聞をもらった。
カウンターでの待機中に読むものが出来て助かった。
4時45分から準備開始。
5時半開場。
全5ステージ中最もお客さんが少ない回だった。
おそらく昨日までの座席配置でも、今日の夜の人数なら見やすかっただろう。
残念だ。
第1話のキクと笑里が快調だった。
2話の自分は、やや空回り。
3話、素に戻った場面のビンタが強烈だった。
こちらが激しくいけば、激しく返ってくる。
4話の大オチは初日よりも効いていたと思う。
反応は全体的に大きくはなかったが、芝居は落ち着いていたと思う。
終演後、福田さんに挨拶する。
3年前、とある依頼でお世話になり、「テキストファイル」も見に来てもらった。
その頃と髪型が変わり、一瞬誰だかわからなかった。
(まさか、あの時の俺の依頼のどこかに、何かまずいトラブルでも?)
受付中に目が合い、心配になったが、そうではなくてほっとした。
昨日まで何度かスマホに着信があったのだが、それも福田さんからだったらしい。
二重にほっとした。
本番を終えたばかりの南さん来る。
こちらは行けなかったのに、来てもらって嬉しかった。
お客さんが帰ってからバラシをする。
「ゆっくりやっていいよ」
と言ったものの、幕を下ろしてたたみ、平台を積み、鏡を元に戻し、掃除をすれば終わりだった。
スタンドの花を届けにきた花屋さんが引き取りにこなかった。
「届けに来た時言ったんですけど」
「電話してみた?」
「留守電なんです」
知恵ちゃん、自分の手で片付けようとしていた。
受領証があったのでネットで電話番号を調べ、店にかけてみた。
片言の女性が出た。
事情を伝えたが、配達の人間が11時を過ぎないと戻ってこないとのことだった。
劇場さんに相談し、入口の外に花を置いたままにしてもらい、業者にはそれを持ち帰るよう伝える。
不安だったので、念のためメールもしておく。
バラシで手間取ったのはそれだけだった。
原状復帰の確認サインをしてもらい、9時過ぎに撤収。
「打ち上げは焼肉にしよう。打ち上げ代は出すから」
昨日それを言うと、みんなは、
「やった、絶対腹すかせておこう」
「芝居やってて初めてですよ」
と、感動していた。
肉の芝居をやって、焼肉で打ち上げは、締めにふさわしいだろう。
俺も楽しみだった。
9時半に焼き肉屋へ。
中野の「マルキ市場」
コースは、ちょっぴり贅沢コース。
知恵、キク、上岡は、荷物をいったん家に持ち帰ってから来た。
9時半過ぎに打ち上げ開始。
1時間ほどオレは、肉を焼くのに徹する。
ふと気がつくと、みんなお腹がいっぱいになり、黙っていた。
オレは、皿に残った肉をひとりで焼き、百合香さんと食べ尽くした。
2時間前までは、あんなに食べたかった肉なのに、もう肉は欲しくないと思ってしまう寂しさ。
満たされたことで失われるもの。
実に、哲学的な展開だと思った。
お腹も落ち着いたそのタイミングで大入り袋を配った。
小さい公演だったが、大楽以外はほぼ満席だった。
遊べて、試せて、打ち上げで肉も食えたのだから、悪くないだろう。
大入りを渡し終わり、デザートを食べ、ラストオーダーを注文した。
笑里、酔っ払ったのと感極まったのとで、テンションが異常に高くなっていた。
出演者7人の中で、彼女はひときわ若い。
今年大学を卒業したばかりなのだ。
年齢差を極度に意識することなく遊べたのは、相手役のキクの人柄が合っていたこともあるだろうし、周りの出演者が悪い意味での子供扱いをしなかったこともあるだろう。
酔いつぶれる寸前の笑里が心配だったので、店の人にお冷やを頼んだところで閉店時間となった。
マグ不足、これにて終了。
千陽さん、終電が終わってしまったらしかった。
「つき合いますよ! スピッツ歌いたい!」
と笑里が言った。
二人につき合う形で、近くのビックエコーへ。
部屋に入ってからは、水を飲みながらの語りモードになり、結局三人で4時まで延々と話した。
途中から酔いが覚めた笑里が冷静になっていたのには笑った。
歌ったのは笑里がスピッツを2曲だけ。
これなら、朝までやっている居酒屋で飲んだ方が良かったかもしれないと思ったが、カラオケは防音がちゃんとしているので、静かに色々話せる。
4時10分を過ぎた頃に、お金を置いて先に店を出た。
始発に乗って帰宅。
シャワーを浴び、5時過ぎ就寝。