「光陰」の上演許可

朝、カップヌードルを久しぶりに食べる。
カップ麺の類いを買う時はカレー味を選ぶ時が非常に多いが、それはカレーライスを食べる欲求を満たしたいからだ。
今回もそうだったが、カレー味そのものは選びたくなかった。
カレーではなくそれに近い味が食べたかった。
それで買ったのが、アヒージョだったが、食べてみるとカレーっぽさはみじんもなかった。

夕方、鍋横でトツゲキ稽古。
少し遅れる。
途中のファミリーマート前で照明の小川さんがたたずんでいた。
いや、似ているけどそうじゃないかもしれない、いや、そうなのかな、どっちだろう?
近づきながら目が合い、微笑とほんの少しの会釈を交わし、ファミマに入ると横森さんがレジでフランクフルトを買っていた。
やっぱり小川さんだった。
二人は照明の話をしながら歩き始め、その後ろを侍従のようについていった。
横森さんはフランクフルトを食べていた。
稽古前の軽い食事代わりだろう。
ふと、横森さんの健康が気になった。
演出をやっていれば疲れるのは当たり前だが、仕事で京都と東京を行き来しつつは辛いだろう。

稽古場に着くとシアターゲームは終わっていた。
二日休みをおいての稽古。

台本は9割以上できあがり、ラストを残すのみとなっている。
構成的には、前編、後編、エピローグ。

会話のテンポについての駄目出し多い。
間が出来るとそこをつめていくという具合に進む。

9時半終了。
田中ひとみさんと、丸ノ内線で荻窪まで一緒。

岡山大学の学生さんから、「光陰」の上演許可願いがメールできた。
一昨年も高知の学生さんから同じようなメールをいただいた。
インターネット演劇研究所というサイトに10年以上前に登録した台本がまだ残っているのだ。
この時に登録したのは上演時の台本ではなく、修正もされてなければ、ラストシーンも抜け落ちている。
サイトにログインして情報を修正したいのだが、パスワードがわからなかった。
登録したメールアドレスも解約しているため、再発行メールも届かない。

ともあれメールの返信をした。
上演していただくのはいっこうに構わず、改訂もかまいません。
しかしながら修正版があるのでそちらも送りましょうか、という内容。

正直な話、アップされているものをそのまま上演されるのは、今の自分にとって非常に恥ずかしい。
小学生時代の作文を引っ張り出され、朗読されるような気分になる。

「光陰」は陰惨なストーリーだった。
マグであそこまで暗い話はほかにない。
本番のふた月前に急遽決まった公演だった。
決まった時点で台本はなし。
手元にあるプロットで出来そうなものが「光陰」だった。
5月下旬にかけて調べ物をし、6月中に書きながら稽古し、7月の頭に上演した。
よくそんなスケジュールで新作をやったものだ。

とにかく、パソコンにある台本データを調べるが、光陰はなかった。
実家のパソコンにあるのだ。間が悪い。